2018年06月19日

米国と中国、UAEとカタールの順位が逆転:世界平和指数(2018年版)(3)

(注)本シリーズは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0444MenaRank12.pdf

MENAなんでもランキング・シリーズ その12)

 

2018.6.19

前田 高行

 

(大幅に悪化したカタール!)

3.MENA諸国の2016年と2017年の比較

(http://menarank.maeda1.jp/12-T02.pdf 参照)

 今回と昨年の平和指数、世界ランク及びMENA各国間のランクの変動を比較してみると、まずMENAの平均順位は昨年も今年も同じ116位で変化は無く、平均指数のスコアは昨年の2.537に対して今年は2.516でありこちらはわずかながら改善している。

 

 国別に見ると指数が上がった国が10カ国1機関、下落した国が9カ国でほぼ同数であり、世界ランクではアップした国が8カ国1機関、ダウンした国は8カ国、順位に変動が無かった国は3か国であった。これらの中で順位を大きくアップさせたのがクウェイト(58位→42位)及びUAE(65位→45位)である。これに対して世界ランクを大幅に下げたのがカタールであり、同国は2017年の世界30位が今回は56位と26ランクも急落している。この結果カタールはMENAの中でもUAEに追い抜かれる形となった。同国は昨年6月、イスラム過激派支援を理由にサウジアラビア、UAEなど4カ国から断交されており、このことが平和指数と世界ランクの下落に大きく影響したものと見られる。その他のGCC諸国はサウジアラビアが指数及び世界順位共にアップし、バハレーンはスコアが下落、順位は上昇し、オマーンはスコア、順位共に下がるなどGCC6カ国は明暗を分けている。

 

 その他中東の大国であるトルコ、エジプト及びイランを見ると、トルコはスコア(2.777→2.898)、ランク(146位→149位)共に安全度が下がっている。エジプトもスコア(2.583→2.632)及びランク(139位→142位)が下落し、イランもスコア(2.364→2.439)及びランク(129位→131位)であり、3か国とも平和指数と世界ランクのいずれも前年を下回っている。3か国は程度の差はあるのの散発的にテロ事件が発生しているため平和度の評価が悪化しているようである。

 

 MENAの下位国を見ると、シリアは2年連続で世界最下位である。イラクも2017年161位、2018年160位と世界の最低ランクにとどまっている。但し両国は指数面では前年より改善している点は今後に期待がもてそうである。

 

(続く)

 

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drecom_ocin_japan at 09:26コメント(0)MENA  

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