2018年07月03日

UNCTAD「世界投資レポート2018年版」(4)

MENAなんでもランキング・シリーズ その4)

 

2018.7.3.

前田 高行

 

 () 2012-2017年のFDIインバウンドの推移(続き)

(急増するイスラエル、急落するサウジアラビア!)

b)主要6カ国の動向

(http://menarank.maeda1.jp/4-G01.pdf 参照)

2012年から2017年までの過去6年間のFDIインバウンドについてサウジアラビア、トルコ、イスラエル、イラン、エジプト及びイラク6カ国の推移を見ると以下のような特徴を指摘することが出来る。

 

2012年のFDIインバウンドはそれぞれトルコ(137億ドル)、サウジアラビア(122億ドル)、イスラエル(90億ドル)、エジプト(60億ドル)、イラン(47億ドル)、イラク(34億ドル)であり、サウジアラビアとトルコが100億ドルを超え、エジプト、イラン、イラクが50億ドル前後で競い合う状況であった。その後トルコは6年間を通じてコンスタントに100億ドル台のFDIインバウンドがあったが、サウジアラビアは2012年をピークに長期低落傾向にあり、特に2017年は14億ドルにとどまり2012年の1割強にまで急落している。同国は石油依存経済からの脱却を目指しビジョン2030政策を掲げて外国の資本と技術の導入を促しているが、掛け声とは裏腹にFDIインバウンドが急減している。

 

これに対してイスラエルは2014年の60億ドルを底にその後は113億ドル(2015年)→119億ドル(2016年)→190億ドル(2017年)と3年連続して増加、トルコを抜いてMENAのトップに立っている。エジプトは「アラブの春」騒乱を切り抜け2015年以降は70~80億ドルの外国からの直接投資が流入している。

 

 2012年に47億ドルであったイランのFDIインバウンド額は2014年、15年は21億ドルにとどまった。しかしその後は緩やかに増加しており2017年には50億ドルと過去6年間でもっとも高い流入額を記録している。欧米諸国との核合意による経済制裁解除の成果と考えられる。但し最近米国が核合意から離脱し、イラン原油の輸入停止を各国に求める強硬姿勢に転じたため当面の見通しはかなり暗そうである。

 

イラクの場合は、2013年以降昨年までの5年間のFDIインバウンドは外国投資の還流が止まず、2014年の、マイナス100億ドルを筆頭に毎年多額の外国投資が引き上げる状況が続いている。ただ2014年を底に金額幅は縮小しており、国内の治安回復というプラス要因もあるためイラクへのFDIインバウンドは近い将来プラスに転じるものと予測される。

 

(続く)

 

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        前田 高行         183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp





drecom_ocin_japan at 17:09コメント(0)MENA  

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