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2009年10月17日

(注)ホームページ「マイ・ライブラリー」に上下一括掲載されています。

 世界各国には多数のイスラム教徒がいる。信徒は全世界で10数億人と言われているが、その総数或いは各国別の人数についてはいろいろな統計がある。

 ここでは米国ワシントンに本部を置くPEW FORUM ON RELIGION & PUBLIC LIFEが最近発表したレポート’Mapping the Global Muslim Population (A Report on the Size and Distribution of the World's Muslim Population)’から国別のイスラム教徒数及びシーア派信者数を取り上げて読者のご参考に供したい。

*PEW FORUMは世界の宗教問題に関する情報提供を目的とした中立の非営利機関である。(Forumのホームページhttp://pewforum.org/より)
なおレポートの全文は下記URLで閲覧可能である。
http://pewforum.org/newassets/images/reports/Muslimpopulation/Muslimpopulation.pdf

1.全世界のイスラム教徒の総数及び地域別分布
 世界のイスラム教徒の総数は15億7千万人であり、全人口に占める割合は22.9%である。4.4人に一人がイスラム教徒ということになる。因みに国連人口基金(UNFDP)の統計「世界人口白書2008」によれば、世界の総人口は約67.5億人である。

graph2.gif 左図は地域別分布を示したものであるが(拡大図はhttp://menadatabase.hp.infoseek.co.jp/2-I_Manpower&Wage.html参照)、最も多いのはアジア・大洋州の9.7億人であり、総数15.7億人の63%が集中している。これについで多いのが中東・北アフリカ(MENA)地域の3.2億人で20%を占め、サブ・サハラ(サハラ砂漠以南)のアフリカ地域の信者数は2.4億人(15%)である。これら以外の地域の信者数は少なく、ヨーロッパ地域は38百万人(2%)、南北アメリカは5百万人(0.3%)と推定される。

 なお各地域の総人口に占めるイスラム教徒の割合は、アジア・大洋州が24%であるのに対し、中東・北アフリカ地域は総人口の91%に達し、同地域ではほとんどがイスラム教徒である。またサブ・サハラのアフリカは30%であり、アジア・大洋州よりもイスラム教徒の密度が高い。

2.国別のイスラム人口
(表「世界の国別イスラム人口」参照)
 世界の国々の中でイスラム教徒が最も多いのはインドネシアであり、その信者数は全人口の88%を占める2億3百万人に達する。これに次いで多いのはパキスタンの1.7億人であるが、同国の場合は国民のほとんど(96%)がイスラム教徒である。イスラム信者数第3位はインドの1.6億人である。同国はヒンズー教徒が多数を占め、イスラム教徒の割合は13%程度に過ぎないが、ムンバイなど西海岸の各州にはイスラム教徒が集中している。

 因みにサウジアラビア、UAEなど湾岸産油国には多数のインド・パキスタン出身の男性労働者が建設業など単純労働に従事しており、またインドネシア出身の女性労働者が家庭内労働者(メード)として働いているが、彼らはほとんどはイスラム教徒である。宗教が同じであることが彼らの労働ビザの取得を容易にしており、また現地での生活慣習に馴染みやすくしていると言える。

 インドネシア、パキスタン、インドに次いでイスラム教徒が多い国はバングラデシュで同国の信者数は1.5億人、全人口の9割を占めている。これら4カ国がイスラム人口が1億人を超える国である。

 イスラム人口が5千万人以上の国は、エジプト(79百万人、全人口に占める割合95%。以下同じ)、ナイジェリア(78百万人、50%)、イラン(74百万人、99%)及びトルコ(74百万人、98%)の4カ国である。これらのほかイスラム人口が多い主な国としては、アルジェリア(34百万人)、モロッコ(32百万人)、イラク、スーダン(各30百万人)、アフガニスタン、エチオピア(各28百万人)などがある。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp


at 10:12 

2009年04月19日

米フォーブス誌の世界富豪番付
 米国の経済誌Forbesが恒例の世界の大富豪番付’The World’s Billionaire’(2009年版)を発表した。資産が1ビリオン・ダラー=10億ドル(約1千億円)以上の大富豪「ビリオネア」をリストアップしたものである。一昨年のサブプライム以後、昨年秋のリーマン・ショックを経て世界は同時不況の様相を呈し、株価暴落が世界中の富豪を直撃している。

拙著「アラブの大富豪」を出版した昨年2月当時は、原油価格が100ドルを上回り(その後、7月には史上最高の147ドルに達した)、ドバイを始めとする中東産油国はオイル・ブームに沸きかえっていた。米シティグループの個人筆頭株主として知られるサウジアラビアのアルワリード王子を含めアラブの大富豪たちもわが世の春を謳歌していたのである。

しかしその後の原油価格と株価暴落により、アラブの大富豪の資産は大幅に目減りした。勿論資産が減ったのは世界中の富豪もおなじである。世界の「ビリオネア」の総数は、昨年の1,125人から今年は793人に激減し、中東アフリカ地域も昨年より26人減り58人になった、とForbes誌は報じている。

因みに昨年資産額620億ドルでトップだった投資家のウォーレン・バフェットは、1年間で250億ドルも減少し2位に陥落している。今年トップに返り咲いたのはマイクロソフトの創業者ビル・ゲーツであるが、彼とても資産額は昨年より180億ドル減っている。ウォーレン・バフェットは投資した企業の株価が暴落したためであり、ビル・ゲーツの場合は、彼の資産の殆どを占めているマイクロソフト株が下がったことが原因である。二人とも米国経済の急落のあおりを受けた格好となっている。

シティグループの株暴落で大損したアルワリード王子
alwaleed2.jpg Forbes番付でアラブ人としては不動のトップを誇っているサウジアラビアのアルワリード王子の資産は133億ドルである(写真)。彼はアブダッラー現国王の甥であり、建設業から金融業へと富豪の階段を上っていった彼の成功譚は誰知らぬものもない。現在は欧米や国内の株に投資し、「アラビアのバフェット」と呼ばれている投資家である。彼は1990年代初めシティグループが苦境に立ったとき、その大株主となり大富豪への足がかりを築いた。今回のサブプライム危機で再びシティグループの業績が悪化した昨年初め、アルワリード王子はクウェイト政府系ファンド(SWF)のクウェイト投資庁と共にシティに出資した。

当時のシティ株は往年の半値30ドル程度であり、誰の目にも底値と見えた。アルワリード王子としては絶好の投資タイミングだと判断したに違いない。ところがその半年後にリーマンショックが発生、金融株は軒並み暴落し、シティの株価は1ドルすれすれまで下がった。今年第一四半期の業績回復により現在は4ドル程度に回復しているが、昨年買ったシティ株は今や紙くず同然であり、彼が巨額の損害を蒙ったことは紛れも無い事実である。Forbes誌によるアルワリードの資産は昨年の210億ドルから、今年は133億ドルに減り、番付も昨年の世界19位から22位に転落している。

アラブの大富豪は健在
 彼以外のアラブの大富豪たちの資産もおしなべて減っている。今年の番付100位以内に入っている中東諸国のアラブ人大富豪は7人であるが、このうち5人はアルワリード王子と同様、資産額は前年を下回っている。54位のクウェイトのナセル・アル・カラフィー一族などは140億ドルから81億ドルへと半分近くになっているほどである。このようにアラブの大富豪たちはわずか一年で数十億ドル単位の資産を失っている。

但しここで注意しなければならないのは、今年100位以内に入ったアラブ人大富豪の数は7人だが、昨年はそれがわずか3人にとどまっている。その意味するところは、常連の世界の大富豪が軒並み資産を大幅に減らした中で、アラブの大富豪の傷は比較的浅く、その結果彼らの相対的な順位が上がったということである。

そしてもう一つ忘れてはならないのは、彼らアラブの大富豪は借金と言えるものを殆ど持っていないということである。彼らは資産の多くを安全な銀行預金や政府債に預けるか、株式投資の場合でも欧米の有力銘柄に集中している。中国やインドなど新興国の大富豪の殆どは、不動産開発あるいは自分の企業の株式公開で巨万の利益を得た者が多く、しかもその資金は銀行からの借入金でまかなっている。従って彼らはバブルの崩壊により一夜にして息の根を止められる運命にある。

その点、アラブの大富豪たちは借入金の返済に追われることはなく、彼らは今もかなりの資産を保有している。アラブの大富豪は健在なのである。

以上

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前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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at 09:38 

2009年03月20日

(注)図表入りで全体をまとめたものをホームページ「中東と石油ー世界のSWF」に一括掲載しております。


3.ファンドの成立年代による分布
 UNCTADリストの中で最も古いSWFは1922年に設立されたオランダのStichting Pensioenfonds ABPである。また1932年にはカリフォルニア州年金基金が生まれており、この二つのファンドが第二次大戦以前に設立されたSWFである。その後1953年にクウェイトが「ロンドン投資事務所」(KIO、後のクウェイト投資庁、KIA)を設立、このほか米国のニューメキシコ州及びカナダの年金ファンドなど第一次オイルショック(1973年)以前に5つのファンドが生まれている。
 
第一次オイルショック以降1999年までは、オイルマネーを蓄積したUAE、リビア、ノルウェー、イランなどの産油国が相次いでSWFを設立、また輸出の拡大により外貨準備を積み上げた中国やシンガポールなど合わせて26のSWFが生まれている。そして2000年以降、天然資源価格の高騰により、従来のUAE、クウェイトに加えロシア、カタール、ベネズエラなど石油・ガス生産国が新たなファンドを設立、また銅鉱石を輸出するチリのような非石油系の資源国もファンドを設立している。

2000年以降に設立されたSWFは35あり、ファンド数としては全体の2分の1を占めているが、1ファンドあたりの平均資産額は280億ドルであり、それ以前に設立されたSWFに比べて小粒である。

4.SWFの資金源別分布
 SWFの資金源は、(1)石油・天然ガスなどの天然資源、(2)貿易或いは経常収支の黒字による外貨準備、(3)一般国民のための年金積立金、及び(4)(通常の民間ファンドと同じ)一般投資家からの出資金とそれを梃子(レバレッジ)とする金融機関からの借入金、の大きく四つの種類に分けることができる。

天然資源を原資とするSWFはアブダビのADIAのような産油国のSWFが代表格であるが、チリの銅、ボツワナのダイヤモンドなど石油・ガス以外の天然資源を原資とするものもある。一方、貿易収支の黒字による外貨準備を原資とするSWFを設立しているのは中国、シンガポールなどである。そしてカリフォルニア州年金基金のような年金積立金を運用するSWFがある。

これらの基金は資源収入、貿易黒字、年金等いずれも公的性格を帯びた資金(国富)を原資としている。これに対してDubai International Capital(DIC)などドバイのSWFの原資は周辺産油国の投資家の出資金と銀行借入によるものであり、通常の欧米のファンドと基本的には同じ性格のものである。SWFの「国富ファンド」と「政府系ファンド」という二面性のうち、後者のみの性格付けを持ったものと言えよう。
 
これら四つの資金源によってSWFの分布を見ると図3のようになる。石油・ガスを原資とするSWFは全体の56%(資産ベース)を占めている。これにその他の天然資源によるSWFを加えると、SWF全体の6割は天然資源による収入を原資としている。これに次ぐのが外貨準備を原資とするSWFで24%を占めており、また年金が原資のSWFは12%である。出資金・借入金を原資とするSWFは資産ベースでは全体の5%にとどまっている。

(完)


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at 11:04 

2009年03月18日

(注)図表入りで全体をまとめたものをホームページ「中東と石油ー世界のSWF」に一括掲載しております。

 日本で「政府系ファンド」または「国富ファンド」と呼ばれるSovereign Wealth Fund(以下SWF)に関しては世界の研究機関やシンクタンクで多くのレポートが発表されている。SWFの定義そのものが統一されていないため、レポートによってその内容はまちまちであり、またSWF自身が情報公開に熱心でないため、資産総額などデータについてもばらつきが見られる。
 本稿は、UNCTAD(国連貿易開発会議)が発表したWorld Investment Report 2008(WIR2008)の中の’FDI by sovereign wealth funds’の付表’List of major sovereign wealth funds, 2007’(以下「UNCTADリスト」)により、SWFの概要を解説しようとするものである。

(注)UNCTADのWIRは外国直接投資(Foreign Direct Investment, FDI)について、世界各国の対外投資額あるいは外国からの投資受入額及びそれぞれの投資残高を分析したものである。WIR2008のうちMENA諸国の状況については「A09 MENA何でもランキングシリーズ(4) MENA22カ国の直接投資2008年版」として解説したのでそちらを参照願いたい。

1.世界全体のSWFの規模について
 UNCTADリストは世界のSWFの運用資産規模を総額5兆ドル(2007年末)と推定している。リストアップされたSWFは44カ国にまたがり、その運用資産合計額は4.8兆ドルであることから本リストは世界のほぼ全てのSWFを網羅しているとみられる。

 最大のSWFはAbu Dhabi Investment Authority(ADIA, アブダビ投資庁)である。ADIAの運用資産は5,000乃至8,750億ドルと推定され、その推定額には大きな幅がある。しかしこの額はADIAに続く第2位のSWF、ノルウェーのGovernment Pension Fund-Global(GPF-G, 政府年金ファンド)の3,730億ドルの2倍以上であり、飛びぬけて大きなSWFであることがわかる。

 3位にシンガポールのGIC(Government of Singapore Investment Corporation)、4位サウジアラビアのSAMA(Saudi Arabia Monetary Agency、但しSAMAは日本銀行に相当する中央通貨庁であり独立組織としてのSWFではない)、5位はオランダの(Stichting Pensioenfonds ABP)、6位中国のSAFE(State Administration of Foreign Exchange)と続き、これら6位までが推定資産規模3千億ドル以上のSFWである。

 7位以下のクウェイト投資庁(KIA)、米国カリフォルニア州年金基金、中国投資公司(CIC)までが資産規模2千億ドルを超えている。その他資産規模が1千億ドル~2千億ドルのSWFにはシンガポールのTEMASEK、ロシアの石油・天然ガス基金(OGF)など5つのファンドがある。

 資産規模3千億ドル以上のSWFは6ファンドであり、ファンド数としては全68ファンドの1割以下であるが、合計資産額は2.5兆ドルを超えており金額的には全体の5割以上を占めている。また資産規模1千億ドル以上の15ファンドの合計額は全体の7割弱に達している。

2.SWFの地域別・国別分布
 SWFを地域別分布で見ると、アジア・大洋州及び中東がそれぞれ20ファンド、19ファンドと多く、この2地域で全68ファンドの6割を占めている。それ以外の地域ではアフリカ10、北米8、中南米6、欧州5となっている。

 次にSWFの資産規模を国別に見ると、もっとも大きいのがUAEであり、同国のSWFの合計資産規模は1兆ドルに達し世界全体の2割を占めている。次に資産規模が大きい国は中国(6,200億ドル)、シンガポール(4,900億ドル)、ノルウェー(3,700億ドル)と続き、これら上位4カ国で世界全体のSWF資産の半分に達する。

(続く)


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at 21:26 

2009年03月15日

*全文は「中東と石油」の「イスラム圏の企業番付100社」でご覧になれます。

3.国別・業態別企業数
 100社の国別内訳で最も多いのはトルコの23社、全体のほぼ4分の1を占めている。これに次いで多いのがマレーシア(14社)、サウジアラビア(13社)となっており、上位3カ国で全100社の半分に達している。

 4位以下はクウェイト(8社)、インドネシア(7社)、イラン及びUAE(各6社)である。その他の国ではカザフスタンが3社あり、ヨルダンが2社ランクに入っている。1社のみの国は、アルジェリア、アゼルバイジャン、イラク、リビア、ナイジェリア、パキスタン、シリアの各国であるが、これらはいずれも国営石油・天然ガス企業である。

 OICの加盟国は57カ国であるが、このうちDSI100のランクに1社以上入っている国は16カ国に過ぎない。これらのことからイスラム圏諸国では大企業は一部の国に偏在しており、しかも業種が国営の石油・天然ガスに集中していることが判る。

 さらに100社を国営、上場、非上場に区分すると、国営30社、上場55社、非上場15社で上場企業が最も多く、全体の2分の1強を占めている。しかし売上規模で見ると、国営企業の合計売上高は8,372億ドル、上場企業は3,074億ドル、非上場企業は686億ドルであり売上全体の7割は国営企業で占められている。1社あたりの平均売上高も国営企業が279億ドルに対して、上場企業は56億ドル、非上場企業は46億ドルであり、国営企業の規模が圧倒的に大きい。

業種別に見ると、企業数では石油・ガス部門が20社で最も多く、複合企業、製造業(各18社)、銀行業(17社)及び複合企業(17社)がこれに並んでいる。これ以外の企業は通信業(8社)、運輸業(6社)、建設業(5社)石油化学(3社)、農業(3社)、小売業(2社)などである。しかし業種別の売上高では石油・ガス部門は全体の64%を占めており、他の部門を圧倒している。複合企業の売上は全体の10.3%に達しており、企業数が同じ18社の製造業の7.3%を上回る規模である。通信業は企業数こそ少ない(8社)が、売上高は全体の3.7%を占め、金融業(17社、5.5%)と遜色の無い規模を誇っている。

4.3ヵ年(2005~07年)の推移
 2005年から07年にかけて原油の年間平均価格(WTI)は、56.51ドル(05年)、66.04ドル(06年)、72.29ドル(07年)に上昇し、07年末には100ドル弱、そして08年7月には史上最高の150ドル近くまで急騰した。

 この結果、産油国の国営石油会社の売上も急増し、また湾岸産油国には膨大な余剰オイルマネーが発生した。それは不動産、建設、金融など石油以外の産業にも波及効果を及ぼし、さらには周辺の非産油国の経済にも恩恵をもたらした。このためイスラム圏の企業も05~07年の3カ年間にほぼ例外なく売上が伸びている。DSIランク100社の売上合計額をみると、2005年は9,440億ドルであったものが、06年には1兆ドルを超え、07年には1兆2千億ドル強に達している。3ヵ年で売上高は1.3倍に拡大し、年平均13%前後という高い増加率を示している。

 このうち上位10社の売上高が占める割合は3ヵ年とも50%を超えており、しかも05年54%、06年58%、07年59%とシェアは年々上昇している。上記2に触れたとおり、2007年の上位10社のうち8社が国営石油会社であり、05年及び06年の場合は、実に10社中9社が国営石油会社である。ちなみに3ヵ年の売上高ベスト5社の顔ぶれは変わっておらず、サウジアラムコ社とイラン国営石油会社は3年間にわたり1位と2位にあり、3位以下の売上規模を大きく上回っているため、今後当分の間、両社の順位に変動はないと考えられる。

これらのことからイスラム圏では国営石油会社が企業活動の中枢であり、しかも年々その比重が大きくなっていると言える。開発途上にあるイスラム圏の各国はいずれも産業の多角化・高度化を標榜しているが、実際には掛け声倒れになっている様相もうかがえるのである。

以上

全100社のデータについては
http://menadatabase.hp.infoseek.co.jp/1-M-61%20Top%20100%20Companies%20of%20the%20Muslim%20World.htm 参照


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at 08:53 
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