MENA

2018年05月23日

MENAなんでもランキング・シリーズ その7)

 

3.分野(Pillar)別の順位(続き)

(表http://menarank.maeda1.jp/7-T02.pdf参照)

 

(7)   Business FreedomMENA平均ポイント:67.0)

 ビジネスの自由度(Business Freedom)MENA1位はチュニジアでそのポイントは81.4である。これに次ぐのはUAEの79.9で、この2カ国がMENAで高いポイントを得ている。MENA第3位はオマーン(76.3)、第4位バハレーン(75.5)、第5位サウジアラビア(74.0)、第6位イスラエル(71.8)、第7位エジプト(71.5)、第8位カタール(71.3)が70ポイント以上の国々である。MENA19か国中の最下位はレバノン(48.8)であり、同国だけが50ポイントを下回っている。

(参考:日本81.7、米国82.7、中国54.9)

 

(8)   Labor FreedomMENA平均ポイント:57.6)

 UAEは労働の自由度(Labor Freedom)MENAトップ(81.1)であり、MENA19カ国の中で唯一80ポイントを超えている。同国は米国(91.4)には及ばないものの日本(79.2)よりも高い。UAEに続くのがバハレーン(76.5)である。MENA第3位のイラク(69.8)以下は70ポイント未満であり、MENAではUAE及びバハレーンの2カ国の評価が飛び抜けて高い。その他のGCC諸国はカタール(65.4)、サウジアラビア(64.8)、クウェイト(61.5)、オマーン(55.2)である。MENAの平均ポイントは57.6であるが、これを大幅に下回る労働の自由度が低い国は、モロッコ、レバノン、リビア、トルコ、アルジェリアの各国である。

(参考:日本79.2、米国91.4、中国61.4)

 

(9)   Monetary FreedomMENA平均ポイント:73.4)

 通貨の自由度(Monetary Freedom)が最も高いのはヨルダン(88.7)であり、これに次ぐのがイスラエル(85.3)、モロッコ(82.3)、レバノン(81.9)である。一方ポイントが低いのはシリア(44.2)、リビア(56.2)、イラン(59.8)である。

(参考:日本85.4、米国78.6、中国71.4)

 

(10)Trade FreedomMENA平均ポイント:77.2)

貿易の自由度(Trade Freedom)MENAではイラク、イエメンを除く17カ国が評価されており、ポイントが高いのはオマーン(86.2)、イスラエル(85.5)、レバノン(84.5)、UAE(84.3)、バハレーン(83.4)、カタール(83.3)の各国であり、これらの国は日本(82.3)より高い。一方ポイントが低いのはイラン(54.5)及びシリア(56.6)の2カ国である。

(参考:日本82.3、米国86.7、中国73.2)

 

(11)Investment FreedomMENA平均ポイント:48.3)

投資の自由度(Investment Freedom)MENAで最も高い国はイスラエル、トルコ及びバハレーンでありポイントは75.0である。これら3カ国に次ぐのがヨルダン(70.0)、次いでレバノン、オマーン、モロッコ(各65.0)である。一方、投資の自由度が低いとされているのはアルジェリア(25.0、リビア(5.0)等であるが、特にイラン及びシリアは0.0と評価されている。この項目は他の項目に比べてポイントの格差が大きい。なお外国企業が多数進出しているドバイを有するUAEのポイントはMENAの平均(48.3)を下回る40.0でサウジアラビアも同じポイントである。

(参考:日本70.0、米国85.0、中国25.0)

 

(12)Financial FreedomMENA平均ポイント:53.3)

 金融の自由度がMENAで最も高いのはバハレーン(80.0)であり、同国のポイントは米国(80.0)と同等で日本(60.0)を上回っている。バハレーンに次ぐMENA2位はイスラエル及びモロッコ(各70.0)である。ヨルダン、クウェイト、オマーン、カタール、トルコ及びUAEの6カ国がポイント60.0で並んでおり、これは日本とおなじポイントである。さらにレバノン、エジプト、サウジアラビアが50.0である。一方、金融の自由度が低いと評価されているのは、イラン(10.0)である。

(参考:日本60.0、米国80.0、中国20.0)

 

 (続く)

 

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        前田 高行         183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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2018年05月22日

MENAなんでもランキング・シリーズ その7)

 

3.分野(Pillar)別の順位

(表http://menarank.maeda1.jp/7-T02.pdf 参照)

 経済の自由度を構成する12のPillar(上記1参照)について、MENA諸国の概要を見ると以下の通りである。

 

(1)   Property RightsMENA平均ポイント:47.2)

Property Right(工業所有権保護)MENAで最も高いのはイスラエルでポイントは78.2である。次いでポイントが高いのはUAE(76.3)でさらにカタール(70.3)が70点台にあり、バハレーン(62.1)が60点台で続き、50点台にはオマーン、ヨルダン、トルコ、モロッコ、サウジアラビアおよびクウェイトの6カ国が並んでいる。MENAの平均ポイントは47.2であり、チュニジア(49.4)はこれを上回っているが、MENA平均以下の国はレバノン、イラク、シリア、エジプト、イラン、アルジェリア、イエメン及びリビアの各国である。なお本分野については総合ランク付けの対象になっていないイラク、シリア、イエメン、リビアを含めMENA19か国が評価付けされている。

(参考:日本86.0、米国79.3、中国46.7)

 

(2)   Judicial EffectivenessMENA平均ポイント:46.3)

 Judicial Effectiveness(法制度の有効度)MENAで1位はUAE(83.4)、2位はイスラエル(83.1)であり、この2か国は米国あるいは日本よりも高い世界のトップレベルにある。3位のサウジアラビア(60.2)以下はUAE,イスラエルよりかなり低く、MENAの平均は46.3にとどまっている。

(参考:日本73.2、米国76.9、中国65.4)

 

(3)   Government IntegrityMENA平均ポイント:40.9)

この分野もUAE(77.3)がMENAトップで、2位はカタール(71.6)である。両国はMENA3位のイスラエル(61.2)とは大きな開きがあり、更に4位のヨルダン(51.9)とも格差が大きい。ヨルダンに続いてバハレーン、オマーンが50点台であるが、サウジアラビア(49.9)以下の13か国は50点未満である。ポイントが最も低いのはレバノン(20.2)である。

(参考:日本79.2、米国71.9、中国47.3)

 

(4)   Tax BurdenMENA平均ポイント:86.7)

 租税負担(Tax Burden)についてMENA諸国の中で負担が最も軽いと評価されたのはバハレーン(99.9)である。このほかサウジアラビア(99.7)、カタール(99.6)の湾岸産油国はほぼ満点に近いポイントである。このほかオマーン、UAE、クウェイトも90点台後半であり、GCC6カ国が上位を独占している。GCC各国は所得税がなく、法人税も極めて低い水準である。この分野では日本、米国、中国が70ポイント前後であることに比べ租税負担面でのMENA上位国の優遇ぶりが際立っている。

(参考:日本67.4、米国65.1、中国70.4)

 

(5)   Government SpendingMENA平均ポイント:57.6)

 政府支出(Government Spending)はシリアを除くMENA18カ国がポイント付けされており、点数が最も高いのはイランの91.1である。第2位はイエメン(80.9)であるがイランとは大きな開きがある。以下レバノン、チュニジア、UAE及びモロッコが70点台に並んでいる。MENAの平均は57.6である。この分野は経済に対する政府の関与が低く民間経済が活発なイスラエルはポイントが低い。

(参考:日本54.1、米国56.5、中国71.6)

 

(6)   Fiscal HealthMENA平均ポイント:43.3)

MENAFiscal Health(財政の健全度)は上下の格差が大きいのが特徴である。トップのクウェイト(99.3)を始めUAE(99.0)、カタール(95.4)などが極めて高く評価された一方、レバノン(0.0)、エジプト(1.2)などポイントが極端に低い国も散見される。同じGCC加盟国であっても最近国内外で大量の政府債を発行しているサウジアラビアのポイントは19.7であり、財政の健全度が3カ国に比べかなり低い。

(参考:日本49.3、米国54.8、中国85.9)

 

(続く)

 

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2018年05月15日

MENAなんでもランキング・シリーズ その7)

 

2.MENAトップのUAEは世界10位

(表http://menarank.maeda1.jp/7-T01.pdf 参照)

 MENA15ヶ国のトップはUAEで世界順位は10位と高い評価を得ている。これは同18位の米国より高く30位の日本を大きく上回っている。UAEに次ぐMENA2位はカタールであり世界順位は29位とUAEとかなり大きな差がある。以下はイスラエル(世界31位)、バハレーン(同50位)までの4カ国が世界50位以内である。これら4カ国に続くのはトルコ(世界58位)、ヨルダン(同62位)、クウェイト(同81位)及モロッコ(同86位)までの8カ国が世界180カ国の上位グループとなる。90位台にはオマーン(93位)、サウジアラビア(98位)、チュニジア(99位)が並んでいる。

 

 MENA上位10か国の内訳を見るとそのうち6カ国はGCC諸国(UAE、カタール、バハレーン、クウェイト、オマーン及びサウジアラビア)である。これらの国々は豊かな石油(あるいは天然ガス)の収入により高度な経済社会を実現、欧米の経済システムが浸透しており、経済の自由度が高いと見られているが、UAEとカタールの上位2か国とクウェイト、オマーン、サウジアラビアとの格差は大きい。

 

 MENA12位以下の4カ国はいずれも世界100位以下であるがその順位は以下のとおりである。

 エジプト(139位)、レバノン(140位)、イラン(同156位)、アルジェリア(172位)でありアルジェリアの経済自由度は世界180か国中でも最低レベルと評価されている。MENA15カ国の平均世界順位は87位であり世界の中間レベルにある。

 

 なお冒頭に述べた通りイラク、シリア、リビア、イエメン及びパレスチナ自治政府は世界ランクの対象外となっている。但しパレスチナ自治区を除く4カ国はいくつかのサブ項目の評価がされているので、後述する項目別世界順位で触れることとする。

 

 ちなみに世界1位は香港であり、米国18位、日本30位、中国は110位である。最下位(180位)は北朝鮮。

 

(続く)

 

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2018年05月10日

MENAなんでもランキング・シリーズ その7)

 

中東北アフリカ諸国は英語のMiddle East & North Africaの頭文字をとってMENAと呼ばれています。MENA各国をいろいろなデータで比較しようと言うのがこの「MENAなんでもランキング・シリーズ」です。「MENA」は日頃なじみの薄い言葉ですが、国ごとの比較を通してその実態を理解していただければ幸いです。なおMENAの対象国は文献によって多少異なりますが、本シリーズでは下記の19の国と1機関(パレスチナ)を取り扱います。(アルファベット順)

 

 アルジェリア、バハレーン、エジプト、イラン、イラク、イスラエル、ヨルダン、クウェイト、レバノン、リビア、モロッコ、オマーン、パレスチナ自治政府、カタール、サウジアラビア、シリア、チュニジア、 トルコ、UAE(アラブ首長国連邦)、イエメン、

 

 これら19カ国・1機関をおおまかに分類すると、宗教的にはイスラエル(ユダヤ教)を除き、他は全てイスラム教国家でありOIC(イスラム諸国会議機構)加盟国です。なおその中でイラン、イラクはシーア派が政権政党ですがその他の多くはスンニ派の政権国家です(*)。また民族的にはイスラエル(ユダヤ人)、イラン(ペルシャ人)、トルコ(トルコ人)以外の国々はアラブ人の国家であり、それらの国々はアラブ連盟(Arab League)に加盟しています。つまりMENAはイスラム教スンニ派でアラブ民族の国家が多数を占める国家群と言えます。

 

 第7回のMENAランキングは、米国のヘリテージ財団とウォール・ストリート・ジャーナルが共同で発表した「The 2018 Index of Economic Freedom World Rankings」についてMENA諸国をとりあげて比較しました。

 

   ホームページ:http://www.heritage.org/index/  

 

1.「The 2018 Index of Economic Freedom World Rankings」について

Index of Economic Freedom(以下経済自由度)は、ワシントンに本部がある米国の保守系シンクタンクのヘリテージ財団(Heritage Foundation)The Wall Street Journalと共同で毎年公表しており、2018年レポートでは世界180カ国がランク付けの対象となっている。そのうちMENAはシリア、リビア、イラク、イエメン及びパレスチナ自治政府を除く15カ国が評価対象となっている(なおシリア、リビア、イラク及びイエメンはいくつかの個別分野(Pillar, 下記参照)で評価付けされているが、総合ランクはない)。

 

 IndexPillarと呼ばれる以下の12の分野について各国の自由度に応じた点数評価とランク付けがされ、またそれらを総合したランク付けが行われている。

 

12のPillar(分野)

(1)   Property Rights

(2)   Judicial Effectiveness

(3)   Government Integrity

(4)   Tax Burden

(5)   Government Spending

(6)   Fiscal Health

(7)   Business Freedom

(8)   Labor Freedom

(9)   Monetary Freedom

(10)Trade Freedom

(11)Investment Freedom

(12)Financial Freedom

 

(続く)

 

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2018年05月08日

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0439ImfWeoApr2018.pdf
  

2018.5.8

前田 高行

 

5.世界および主要地域・国のGDP成長率の推移(2015~2019年)

(http://menadabase.maeda1.jp/1-B-2-11.pdf 参照)

(http://menadabase.maeda1.jp/2-B-2-04.pdf 参照)

 

(世界の平均成長率は3%台後半で推移、中国は6%台を維持!)

(1)世界および主要な地域・国

 2015年(実績)から2019年(予測)までの5年間の経済成長率の推移を見ると世界全体では3%台で推移しており今年及び来年は3.9%である。

 

地域別で見ると2015年に4.9%の成長率を達成したASEAN-5か国はその後も他の地域を大幅に上回り、また年々成長率が高くなっている。今年及び来年は5.3%及び5.4%と予測されている。産油国を多く抱えたMENA地域は石油価格によって影響を受けやすく2015年の2.4%から2016年は4.9%まで上昇したものの2017年は一転して2.2%に減速、そして2018年は3.2%、来年は3.6%になるものと予測されている。

 

 主要国では日本の成長率は2015年の1.4%が2016年には0.9%に下落、2017年に1.7%に上昇した後、今年及び来年は1.2%→0.9%と低下する見通しである。いずれにしても成長率は1%前後にとどまっており、以下に述べるとおりインド、中国にははるかに及ばず、米国、ドイツなどと比べても見劣りする低い成長率にとどまっている。

 

米国の経済は先進国の中でも特に好調であり5年間を通じてほぼ2%台の成長を維持し、特に今年及び来年は2%台後半の視聴率が見込まれている。 中国は2015年から2019年までの5年間を通じて6%台の高い成長が続くと見られているが、その成長率は2017年の6.9%から年々低下し来年は6.4%と予測されている。これに対してインドは5年間で8.2%(2015年) →7.1%(2016年) →6.7%(2017年) →7.4%(2018年) →7.8%(2019年)と2017年以外は中国の成長率を上回り、2017年を除き毎年7%以上の高い成長を維持している。ロシアは2015年( -2.5%)、2016年( -0.2%)と2年連続のマイナス成長に陥り、2017年以降漸くプラス成長に転ずる見込みである。

 

(成長率が急激に低下しているサウジアラビア)

(2)MENA諸国

 MENAでGDPが最大のトルコは2015年(6.1%)及び2017年(7.0%)と高い成長率を示し、今年及び来年は4%台の見込みである。トルコに次ぐGDP大国で世界最大の産油国であるサウジアラビアの5年間の成長率(実績・予想)は4.1%(15年)→1.7%(16年)→マイナス0.7%(17年)→1.7%(18年見込み) →1.9%(19年予測)であり、2015年から2017年までは急激に成長率が低下している。

 

 サウジアラビアを含むGCC6か国の平均成長率は3.0%(15年)→2.4%(16年)→0.4%(17年)→2.1%(18年見込み)→3.0%(19年予測)と2017年を底に再び成長路線に戻ると予測されている。同じ産油国でもイランは2015年の4.8%から2016年には11.0%の高い成長を達成、しかし2017年にはマイナス成長に陥っている。今年及び来年は3~4%の成長率を回復する見通しである。

 

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