MENA

2017年11月16日

MENAなんでもランキング・シリーズ その11)

 

掲載日2017.11.16

前田 高行

 

(1990年から2010年までに大きく改善した人間開発指数!)

6.1990年~2015年のHDIの推移

(図http://menarank.maeda1.jp/11-G01.pdf 参照)

 ここではMENA諸国の中からサウジアラビア、UAE、トルコ及びエジプトの4カ国を取り上げ、これに日本、全世界平均、アラブ諸国平均を加えて1990年から2015年までのHDIの推移を比較する。

 

 1990年時点では日本は既にHDI指数が0.814の高々度人間開発(VHHD)国であり、UAE(0.726)は高度人間開発(HHD)国であった。またサウジアラビアは指数が0.698でHHDまであと一息の地位にあった。また全世界平均(0.597)、トルコ(0.576)、アラブ諸国平均(0.556)は指数0.550以上の中位人間開発(MHD)レベルにあり、エジプト(0.547)は低度人間開発(LHD)国であった。

 

 2010年までに全世界の平均は0.641にアップし、日本も0.814→0.884に改善しているが、アラブ諸国の人間開発度は世界平均を上回るペースで上昇した。即ちエジプトは0.547(1990年)→0.612(2000年)→0.671(2010年)と指数が大きく上昇しており、アラブ諸国の平均もこれとほぼ同じ足跡をたどっている。サウジアラビアとUAEも指数は0.698→0.742→0.803及び0.726→0.798→0.824とそれぞれ大きく改善しHHDからVHHDグループ入りを果たしている。特に顕著なのがトルコであり同国は1990年の0.576が2000年には0.653、さらに2010年には0.737と指数が大幅にアップ、MHDからHHDのグループに上がっている。

 

 2010年から2015年にかけては人間開発指数は年々改善しているものの伸びが鈍化している。全世界平均では2010年の0.696から2015年の0.717まで5年間で0.021ポイント上昇している。日本の場合は0.884(2010年)→0.903(2015年)で0.019ポイントの伸びであった。これに対してその間のアラブ諸国の平均は0.696→0.717と0.023ポイントの上昇で世界平均を上回るアップを示している。このような中でサウジアラビアは2010~14年にかけて他国を上回るスピードで指数を上げており2012年以降はUAEの指数を上回り世界ランクがUAEを追い越す勢いを見せている。

 

 但し先に述べた通り前回2014年からアラブ諸国は指数が上昇しても世界ランクが低下する国が続出している。アラブ諸国は世界の人間開発度の上昇に追いつかない傾向が出ており、今後を注視する必要がありそうである。

 

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2017年11月14日

MENAなんでもランキング・シリーズ その11)

 

掲載日2017.11.14

前田 高行

 

(世界平均を上回るアラブ諸国!)

5.2014年と2015年のGII比較

(表http://menarank.maeda1.jp/11-T02.pdf 参照)

 2014年と2015年のGII(ジェンダー不平等指数)を比較するとアラブ諸国の平均GIIは2014年の0.537に対して2015年は0.535でありわずかながら改善されている。全世界平均では2014年(0.449)と2015年(0.443)では0.006アップしているのに比べるとアラブ諸国の改善の度合いは少し低い。これはHDI(人間開発指数)と同じ傾向を示している。

 

 各国毎に見ると世界順位がアップした国は6カ国、同じ順位の国が1カ国、順位がダウンした国は12か国であり、順位を落とした国の方が多い。もっとも順位を上げた国はクウェイトであり前年の79位から今回は70位にアップしている。一方順位がダウンした国の中には大きく下がった国が少なくなく、シリアは119位から133位へと14ランク下げており、その他カタール(116位→127位)、リビア(27位→38位)、チュニジア(48位→58位)なども10ランク以上下がっている。

 

 指数で見た場合はアップした国とダウンした国は同じ9か国ずつで、変動のない国が1カ国である。指数が最も上がった国はクウェイトであり、逆に指数が最も下がったのはチュニジアである。なお指数が前回よりアップしたにもかかわらず順位がダウンした国がレバノン、エジプト及びイランの3カ国である。指数が改善しても世界順位が上がらないと言う結果になっている。

 

MENA諸国内の順位で比べるとイスラエル、リビア及びUAEの上位3カ国は変動がなく、またエジプト(18位)及びイエメン(19位)も2年連続で最下位である。

 

 日本、米国及び中国を見ると、日本はGIIが0.133から0.116に改善しており、世界順位も前回の26位から今回は21位に躍進している。米国はGII指数が0.280から0.203と世界平均(0.449→0.443)を大きく上回る改善度を示し、世界順位も55位から43位に上がっている。今回の43位はMENAではリビア(世界38位)とUAE(同46位)の中間に位置している。中国はGIIポイントが0.027改善し、世界順位も40位から37位に上昇している。

 

(続く)

 

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2017年11月12日

MENAなんでもランキング・シリーズ その11)

 

掲載日2017.11.11

前田 高行

 

(軒並み順位を下げたMENA諸国!)

4.2015年の国別男女不平等指数(GII

(表http://menarank.maeda1.jp/11-T02.pdf 参照)

  男女不平等指数(GII)は、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)、エンパワーメント、そして経済活動への参加の3つの側面で、ジェンダーに基づく不平等がどの程度存在するかを表す指数である(第1項参照)GIIMENAで最も低い(つまり男女平等が最も進んでいる)国はイスラエルでGII指数は0.103、世界19位である。イスラエルに次いでMENAGIIが2番目に低い国はリビアで同国のGII指数は0.167、世界順位38位である。リビアに続いてUAE(指数:0.232、世界順位46位)、バハレーン(同0.233、48位)及びサウジアラビア(同0.257、50位)が世界50位以内に入っている。

 

これを人間開発指数(HDI、第2項)と比較すると、イスラエル、サウジアラビア、UAE、バハレーン、オマーンなどはHDIGIIの世界順位におおきな隔たりは無いが、リビアはGII順位(38位)HDI順位(102位)よりも極めて高く、チュニジアも同様の傾向にある。ともに人間開発指数が低いにも関わらず男女平等の程度が世界的にも高い水準にあることを示している。一方カタールはGII順位が127位と世界の下位グループにとどまっているが、HDIの順位は世界33位であり、人間開発度は高いが男女の不平等格差が極めて大きいとされている。GIIは女性の政治・経済活動への参加の程度を算定基準としているがカタールはこの面で大きく遅れていると考えられる。

 

 上記の他GIIの世界順位が100位までの国はチュニジア(GII指数0.289、世界58位、以下同じ)、トルコ(0.328、69位)、クウェイト(0.335、70位)、レバノン(0.381、83位)及びアルジェリア(0.429、94位)の5か国である。GII世界順位が100位以下の国はヨルダン(0.478、111位)の他モロッコ(0.494、113位)、イラン(0.509、118位)の各国が110位台にひしめき、イラク(0.525、123位)、カタール(0.542、127位)、シリア(0.554、133位)、エジプト(0.565、135位)と続いている。MENA最下位はイエメンで同国は世界最下位の159位でもあり、そのGII指数は0.767と直近のエジプトとの格差が極めて大きい。(なおパレスチナ自治区はGIIの評価対象外)。

 

 男女不平等指数(GII)世界100位以下の国について人間開発指数(HDI)と比べると、モロッコ、イラク、エジプト、イエメンはHDIも100位以下である。これに対してカタールは上記の通りHDIの世界順位が33位であり人間開発と男女の不平等の格差が際立っている。同国の場合は国政への参加率(女性国会議員の比率)の低さが反映したものと考えられる。カタールはアルジャジーラ放送や欧米大学の誘致、モーザ前首長妃の活躍など一見進歩的で女性重視の印象があるにもかかわらず実態的には男女格差はかなり大きいと評価されている。

 

 なおアラブ諸国の平均GIIは0.535であり、全世界平均の0.443に比べかなり見劣りがする。因みに日本のGIIは0.116で世界では21位である。これに対し米国の世界順位は43位、中国は37位で米国のGII順位は中国よりも低い。米国の人間開発指数(HDI)が世界10位であるのに比べGIIの低さが際立っている。

 

(続く)

 

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2017年11月10日

MENAなんでもランキング・シリーズ その11)

 

掲載日2017.11.10

前田 高行

 

(世界に後れを取るMENA諸国!)

3.2014年と2013年のHDI比較

(表http://menarank.maeda1.jp/11-T01.pdf 参照)

 2014年と2015年の人間開発指数(HDI)を比較するとアラブ諸国の平均HDIは2014年が0.686、2015年は0.687でありほんのわずかながら向上している。しかし世界の平均HDIは2014年の0.711が2015年は0.717と0.006アップしており、アラブ諸国は改善のスピードが遅いことが解る。そのことはMENAの世界平均順位が前回の80位から83位にダウンしていることにも表れている。

 

 各国毎の順位の変動を見るとMENA19カ国1機関の中で前回より順位がアップした国は3か国にとどまり、その他の16か国1機関は前回と順位が同等もしくはダウンしている。しかも世界順位がアップした国もモロッコ(126位→123位)、サウジアラビア(39位→38位)、トルコ(72位→71位)とアップ幅は小さい。これに対して順位が下落した国の中にはシリア(134位→149位)、レバノン(67位→76位)、リビア(94位→102位)、イエメン(160位→168位)などのように大きくダウンした国が少なくない。シリア、リビア、イエメンはいずれも内戦が長期化し治安の悪化に歯止めがかからない。紛争当事国の人間開発指数は急速に悪化しているようである。

 

 一方、HDI指数で見ると前年より下がったのはシリア、レバノン、リビア、イエメンの上記4カ国のほかクウェイト、ヨルダン及びイラクの合計7カ国だけであり、他の12か国1機関は前年より指数がアップしている。例えばMENA1位と2位のイスラエル及びカタールはいずれも指数がアップしているにもかかわらず、世界順位は下がっている。これは世界平均の指数の上昇幅がMENAの多くの国を上回っているからである。MENA各国が世界から取り残されていることを示している。

 

 MENA諸国間の順位を前回と比べるとMENAの順位にほとんど変化はない。下位グループのエジプト、パレスチナ、イラク、モロッコ各国は前回、今回共にHDIが0.700未満の中位人間開発(MHD)にとどまっており、シリアは中位開発国から低位開発国に転落、イエメンは前回、今回ともにMENA最下位にとどまっている。

 

 なお世界1位は2年連続でノルウェーであり同国のHDIは0.944から0.949にアップしている。日本、米国及び中国を見ると、日本はHDIが0.891から0.903にアップし、世界順位も20位から17位に上昇しており、MENA1位、世界19位のイスラエルよりランクが高い。米国はHDIがアップ(0.915→0.920)したにもかかわらず、世界順位は8位から10位に落ちている。中国はHDIポイントを0.011アップしたが順位は前回と同じ世界90位である。

 

(続く)

 

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2017年11月08日

MENAなんでもランキング・シリーズ その11)


掲載日2017.11.8

前田 高行

 

MENAHDIが最も高いイスラエルとこれに続くGCC諸国!)

2.2015年のMENAの国別HDI

(表http://menarank.maeda1.jp/11-T01.pdf 参照)

MENAの中で人間開発指数(HDI)が最も高いのはイスラエルの0.899であり、世界順位も19位とかなり上位である。MENA2位以下はカタール(HDI 0.856、世界順位33位、以下同じ)、サウジアラビア(0.847、38位)、UAE(0.840、42位)、バハレーン(0.824、47位)、クウェイト(0.800、51位)とGCC各国がこれに続いている。UNCTADは人間開発指数が0.800以上の国を高々度人間開発(VHHD)として全世界188カ国の内51カ国をVHHDに位置づけている。MENAでは上記6カ国がVHHDとされているが、このうちイスラエルを除く5カ国はGCCである。

 

MENA7位以下の国の指数と世界順位は、オマーン(0.796、52位)、イラン(0.774、69位)、トルコ(0.767、71位)、レバノン(0.763、76位)、アルジェリア(0.745、83位)、ヨルダン(0.741、86位)、チュニジア(0.725、97位)及びリビア(0.716、102位)である。因みにHDIが0.700以上の国は高度人間開発(HHD)とされ、世界188カ国中の106カ国がVHHD或いはHHDの国々である。MENAは19カ国1機関のうち14カ国がVHHD或いはHHDにランク付けされている。

 

上記14カ国以外のMENA各国は中位人間開発(MHD)国、或いは低位人間開発(LHD)の範疇となる。このうちMHDグループに入るのがエジプト(0.691、111位)、パレスチナ自治区(0.684、114位)、イラク(0.649、121位)、モロッコ(0.647、123位)の3カ国1機関である。そしてシリア(0.536、149位)及びイエメン(0.487、168位)は開発度が最も低い低度人間開発(LHD)グループに入っており、MENA諸国の中でも特に低い。

 

MENA諸国の平均指数は0.739であるが、アラブ諸国だけを対象とした場合の指数は0.687、全世界の平均指数は0.717である。アラブ諸国の平均が世界平均を下回っているが、冒頭で触れたとおりGCC産油国は世界的にもかなり上位である。このことからMENAアラブ諸国は産油国と非産油国の格差が大きいと言える。

 

なおHDIが世界で最も高いのはノルウェー(0.949)であり、最も低いのは中央アフリカ(0.352)である。日本はHDI 0.903で世界17位にランク付けされている。米国は0.920、世界10、中国は0.738、世界90位である。米国及び日本はVHHD(高々度人間開発)のグループであるが、中国はヨルダンと肩を並べ高度人間開発(HHD)国グループに入っている。

 

(続く)

 

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