MENA

2018年03月28日

(注)本稿は「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0436MenaRank10.pdf

MENAなんでもランキング・シリーズ その10)

 

3.2013年~2017年の日本とMENA諸国の貿易

(5年前の6割の水準にとどまっているMENAの貿易額!)

(1)日本とMENA諸国の貿易額及び対中国、対米貿易との比較

(http://menarank.maeda1.jp/10-T04.pdf 参照)

(http://menarank.maeda1.jp/10-G03.pdf 参照)

 2013年から2017年までの5年間の日本とMENA19カ国1機関(パレスチナ自治政府)との貿易総額(輸出と輸入の合計額)は2013年に19兆円、2014年は20兆円を記録したが、2015年には一転して13兆円に減少、さらに2016年には10兆円を割り9.7兆円と、わずか2年間で半減した。2017年は輸出は減少、輸入が増加して貿易額は11兆円になったが、それでも5年前の2013年の6割にとどまっている。日本の貿易総額に占める割合は2013年及び2014年は12%強であったが、2015年は8.8%、2016年7.2%、2017年7.3%と3年連続で一桁台に落ち込んでいる。米国及び中国と比較すると、MENAの貿易額は2014年まではほぼ米国に肩を並べていたが、2015年はMENAが減少した反面米国は伸び、中国も微増であった。その後も同じような傾向が続き、2017年の全世界との貿易に占めるMENAの割合は米国の2分の1、中国の3分の1にとどまっている。

 

(日本の対MENA貿易は5年連続で赤字!)

(2)日本/MENA間の輸出と輸入

(http://menarank.maeda1.jp/10-G04.pdf 参照)

 MENAの貿易額を輸入と輸出に分けて見ると、日本のMENAからの輸入額は2013年及び2014年は16兆円であったが、2015年には一転して9.8兆円、2016年6.7兆円そして2017年は8.4兆円と一桁台にとどまっている。一方日本からの輸出額は2.9兆円(2013年)→3.5兆円(2014年)→3.7兆円(2015年)と4年間を通じて増加した後、2016年、2017年は3兆円前後にとどまっている。

 

 2011年の福島原発事故以後LNGの輸入が急増し、油価の高騰と相まってサウジアラビア、カタールなどからの輸入額が急増した。しかし2014年年央以降は油価が急落、さらに円安の影響もあって2015年に円建て輸入額は急減した。これに対してMENA産油国では2015年まで石油・ガスブームが続き自動車・プラントなど日本からの輸出が増加した。しかしその後の油価の下落は産油国自身の経済も委縮させ、また円高の影響もあり、日本からの輸出は停滞気味である。

 

 これらの要因により日本のMENA諸国に対する貿易収支は2013年及び2014年の2年間は年間13兆円前後の赤字であったが、2015年は赤字幅が6兆円に縮小、更に2016年には貿易赤字は3.6兆円に減少した。2017年は再び赤字幅は5.6兆円に拡大しており、5年間を通じて日本の対MENA貿易が大幅な赤字であることに変わりはない。

 

(続く)

 

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        前田 高行         183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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drecom_ocin_japan at 08:57コメント(0) 

2018年03月27日

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MENAなんでもランキング・シリーズ その10)

 

2.MENAと日本の2017年の輸出入(続き)

(石油・LNGの輸入で日本の輸入超過6兆円!)

(3)輸出入バランス

(http://menarank.maeda1.jp/10-T01.pdf 参照)

(http://menarank.maeda1.jp/10-G02.pdf 参照)

 MENA全体の貿易バランスは5.6兆円の輸入超過である。これは言うまでもなく石油或いは天然ガスの輸入によるものであり、特にサウジアラビア(-2.7兆円)、UAE-1.5兆円)およびカタール(-1兆円)、クウェイト(-5千億円)並びにイラン(-3千億円)の産油(ガス)5カ国に対する輸入超過額が大きい。5カ国の輸入超過合計額(6.1兆円)だけでMENA全体の輸入超過額を超えている。昨年のMENAからの輸入超過額3.6兆円から大幅に増えているが、これは原油・天然ガスの価格が上がったためである。

 

一方日本の輸出超過となっている国はトルコ、エジプトなど9カ国1機関である。いずれも超過額は輸入に比べて少ないが、比較的金額が大きいのはトルコ(2,800億円)、イスラエル(900億円)、エジプト(790億円)である。

 

因みに中国は3.6兆円の輸入超過でMENAの約3分の2であるが、米国は逆に7兆円の大幅な輸出超過となっている。

 

 輸出入バランスを2016年と比較すると、日本全体では2016年の4兆円の輸入超過から2017年には3兆円に減少している。一方、日本とMENA諸国の貿易バランスは2016年の-3.6兆円が2017年には-5.6兆円と大幅に増加している。

 

(続く)

 

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2018年03月26日

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MENAなんでもランキング・シリーズ その10)

 

2.MENAと日本の2017年の輸出入(続き)

(小国UAEが最大の輸出相手国。理由はドバイから周辺諸国への再輸出!)

(2)日本からの輸出

(http://menarank.maeda1.jp/10-T03.pdf参照)

 2017年の日本の輸出総額は78兆円であったが、そのうちMENA諸国への輸出は2.9兆円であり全体に占める割合は3.6%である。輸入に占める割合が11%であることに比べかなり低い。日本とMENAの貿易は日本の大幅な輸入超過という片貿易である。

 

 国別にみるとMENAで日本の輸出が最も多いのはUAEの8,096億円であり、二位のサウジアラビア(4,189億円)のほぼ倍近い。UAEの人口は外国人を含め930万人であり、サウジアラビア(3,220万人)の3分の1以下であるにもかかわらず[1]、輸出額では両国が逆転している。UAEはドバイの自由貿易港を通じたGCC、東アフリカ、中央アジア等の国々への再輸出が多いためである。

 

 UAE、サウジアラビアに次ぐ日本からの輸出第3位はトルコであるが、その輸出額は3,547億円である。4位以下はオマーン(2,612億円)、イスラエル(2,161億円)、クウェイト(1,600億円)、カタール(1,335億円)と続き8位のイラン以下は輸出額1,000億円未満である。ちなみに米国及び中国向け輸出は共に15兆円で全世界向け輸出に占める割合は19%、MENA諸国向け総輸出額の5倍以上である。

 

 前年の輸出額と比較すると日本全体では12%増であり、MENA地域向けは対照的に7.7%減であった。輸出額2位のサウジアラビアは23%減でありMENA平均を大きく上回る減少幅であった。輸出額が前年を上回っているのはトルコ(3,107億円→3,547億円、14%増)、イラン(632億円→985億円、56%増)等の国々であり、特にイランは輸出金額はさほど多くないが、5年前の164億円から毎年おおきく増加しており、経済制裁緩和の影響が表れている(後述3(4)主要国の5カ年輸出額推移の項参照)

 

(続く)

 

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[1] MENAランクシリーズ2「MENA諸国の人口・出生率・平均寿命(世界人口白書2016年版)」参照。http://menarank.maeda1.jp/2-T01.pdf 



drecom_ocin_japan at 08:49コメント(0) 

2018年03月22日

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MENAなんでもランキング・シリーズ その10)

 

2.MENAと日本の2017年の輸出入

(対前年比金額ベースで3割増!)

(1)日本の輸入

(http://menarank.maeda1.jp/10-T02.pdf 参照)

2017年のMENA諸国からの輸入総額は8.4兆円であり日本の輸入総額の11%であった。 MENA地域からの輸入はほとんどが石油或いは天然ガス(LNG)であり、サウジアラビア、UAE、カタール、クウェイト、オマーンのGCC5カ国及びイランが輸入相手国の上位を独占しており、これら6カ国だけでMENA全体の輸入額の95%に達している。

 

 国別ではサウジアラビアからの輸入額が3.1兆円でトップであり、第2位はUAE(2.3兆円)である。第3位はカタールの1.2兆円で、これら3か国が輸入額1兆円以上の国である。第4位はクウェイト(6,600億円)、第5位イラン(4,000億円)であるが、上位4か国の対前年増減率はサウジアラビア47%増、UAE24%増、カタール4%増、クウェイト44%増と石油の輸入相手国の増加率が高い。LNG輸入相手国のカタールは世界からの調達源が多様化し、同国からの輸入量が減少したためとみられる(価格は石油に連動しており単価は上昇したため輸入金額としては増加している)。5及び6位のイランとオマーンからの輸入額はいずれも前年比10%強の増加であった。

 

非産油国のイスラエル、トルコ及びエジプからの輸入額はそれぞれ1,266億円、708億円、148億円であり、MENA全体の輸入に占める各国の割合は1.5%~0.2%とかなり低い。

 

 ちなみに中国からの輸入は18兆円に達しMENA全体の2.2倍に達する。また米国からの輸入は8.1兆円でありMENA全体よりは少なく、GCC6カ国の合計額よりやや多い程度である。対前年比では中国は8%増、米国も10%増となっている。

 

(続く)

 

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drecom_ocin_japan at 13:56コメント(0) 

2018年03月21日

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MENAなんでもランキング・シリーズ その10)

 

 中東北アフリカ諸国は英語のMiddle East & North Africaの頭文字をとってMENAと呼ばれています。MENA各国をいろいろなデータで比較しようと言うのがこの「MENAなんでもランキング・シリーズ」です。「MENA」は日頃なじみの薄い言葉ですが、国ごとの比較を通してその実態を理解していただければ幸いです。なおMENAの対象国は文献によって多少異なりますが、本シリーズでは下記の19の国と1機関(パレスチナ)を取り扱います。(アルファベット順)

 

 アルジェリア、バハレーン、エジプト、イラン、イラク、イスラエル、ヨルダン、クウェイト、レバノン、リビア、モロッコ、オマーン、パレスチナ自治政府、カタール、サウジアラビア、シリア、チュニジア、 トルコ、UAE(アラブ首長国連邦)、イエメン、

 

 これら19カ国・1機関をおおまかに分類すると、宗教的にはイスラエル(ユダヤ教)を除き、他は全てイスラム教国家でありOIC(イスラム諸国会議機構)加盟国です。なおその中でイラン、イラクはシーア派が政権政党ですが、その他の多くはスンニ派の政権国家です。また民族的にはイスラエル(ユダヤ人)、イラン(ペルシャ人)、トルコ(トルコ人)以外の国々はアラブ人の国家であり、それらの国々はアラブ連盟(Arab League)に加盟しています。つまりMENAはイスラム教スンニ派でアラブ民族の国家が多数を占める国家群と言えます。

 

 第10回のランキングは、財務省ホームページの貿易統計により2017年の各国と日本の輸出入を比較しました。

 

*財務省ホームページ:http://www.customs.go.jp/toukei/info/tsdl.htm 

 

1.総論:2017年の日本の貿易額

(日本全体の貿易収支は2年連続の黒字)

(1)全世界、MENAGCCとの輸出入および貿易バランス

(http://menarank.maeda1.jp/10-T01.pdf 参照)

 2017年の日本の輸出額は78兆円、輸入は75兆円で輸出入合計(以下貿易)額は154兆円に達した。輸出入のバランスは3兆円の貿易黒字であり、2016年に続き2年連続で貿易収支は黒字になった。

 

 MENAと日本の貿易額は輸出2.9兆円、輸入8.4兆円で差し引き5.6兆円の大幅赤字である。日本の輸出全体に占めるMENA向け輸出は3.6%であるのに対し、輸入は全体の11.2%を占めている。日本とMENAの貿易は日本の大幅な輸入超過であり、日本全体では貿易黒字であるのと対照的である。これは言うまでもなく日本がMENA地域から大量の石油及びガスを輸入していることにある。特にMENAの主要貿易相手国であるGCCは輸出1.9兆円に対して輸入は7.6兆円、貿易赤字が5.7兆円となっており、MENA20カ国の貿易赤字はそのままGCC6カ国の貿易赤字ということになる。

 

(2)GCC, MENA、中国および米国との輸出入

(http://menarank.maeda1.jp/10-G01.pdf 参照)

 MENA及びGCCの貿易額を中国及び米国と比較すると、中国の貿易額は33兆円、米国は23兆円である。MENAの貿易額11.3兆円は米国の半分、中国の3分の1である。しかしその内訳をみるとMENAは輸入と輸出の比率がほぼ2対1であり貿易バランスは5.6兆円の赤字である。中国も貿易赤字はGCCより少し少ない3.6兆円であるが、輸入と輸出の比率は10対8であり、輸出入のバランスはMENAのほうがはるかに悪い。米国の場合は輸出15.1兆円、輸入8.1兆円であり、MENAあるいは中国とは逆に7兆円の貿易黒字である。

 

(続く)

 

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