2005年05月
2005年05月31日
5/31 Gulf Times (Qatar)
カタールのラス・ラファンで同国の天然ガスをUAE、オマーンに供給するDolphin Projectの起工式が行なわれた。日本のJGC(日揮)が施工する16億ドルのガス処理施設建設工事も同時に開始された。
Dolphin ProjectはアブダビのDolphin Energy社(UAE政府51%, Total & Occidental Petroleum 24.5%他) が行なうもので、来年以降25年間にわたりカタールからUAEに32億立方フィート能力のパイプラインによりガスが供給される。
カタールのラス・ラファンで同国の天然ガスをUAE、オマーンに供給するDolphin Projectの起工式が行なわれた。日本のJGC(日揮)が施工する16億ドルのガス処理施設建設工事も同時に開始された。
Dolphin ProjectはアブダビのDolphin Energy社(UAE政府51%, Total & Occidental Petroleum 24.5%他) が行なうもので、来年以降25年間にわたりカタールからUAEに32億立方フィート能力のパイプラインによりガスが供給される。
2005年05月30日
5/30 Khaleej Times (UAE)
ドバイ市庁は4グループが応札した「ドバイ無人鉄道システム」を三菱商事をリーダーとするコンソーシアムDubai Rapid Link (DURL)に124.5億Dh(1US$=3.67Dh)で発注したと発表した。
DURLは三菱商事のほか大林組、鹿島建設およびトルコのYapi Merkezi社から構成されている。なおDURL以外の入札結果はDubai Star 182.6億Dh、Salsabeel 188.4億Dh、Metro One 192.9億Dhであった。
工期は55ヶ月(1期49ヶ月、2期35ヶ月。2期は1期の途中から着工)、2009年9月に運行開始の予定。Red Line, Green Lineの2路線からなり、Red Lineは5両18編成、Green Lineは3両25編成で運行される。路線の総延長は69.7KMで、43駅(地上33駅、地下10駅)である。
ドバイ市庁は4グループが応札した「ドバイ無人鉄道システム」を三菱商事をリーダーとするコンソーシアムDubai Rapid Link (DURL)に124.5億Dh(1US$=3.67Dh)で発注したと発表した。
DURLは三菱商事のほか大林組、鹿島建設およびトルコのYapi Merkezi社から構成されている。なおDURL以外の入札結果はDubai Star 182.6億Dh、Salsabeel 188.4億Dh、Metro One 192.9億Dhであった。
工期は55ヶ月(1期49ヶ月、2期35ヶ月。2期は1期の途中から着工)、2009年9月に運行開始の予定。Red Line, Green Lineの2路線からなり、Red Lineは5両18編成、Green Lineは3両25編成で運行される。路線の総延長は69.7KMで、43駅(地上33駅、地下10駅)である。
2005年05月28日
5/28 , Arab Times (Saudi Arabia), Khaleej Times(UAE) AP電他
サウジアラビアのRoyal Courtはファハド国王が昨日入院したと発表した。詳細な病状は公表されていない。Arab Timesは政府情報筋の話として国王は通常の医療検査を受けており健康状態は問題ないと報じている。
しかし情報が錯綜しており、リヤド発のAP電は匿名筋の情報として、国王は危険な状態にあり国家緊急令がひかれ、治安関係者の海外休暇出国はキャンセルされたと報じた。
国務相はAPの報道を否定し、また地元TVはアブダッラー皇太子がムバラク・エジプト大統領の問合せに対し同様の回答をしたと報じた。
市民はTVのニュースを注視しているが、市中の治安が強化された様子は見られない。
コメント:
ファハド国王は今年82歳。国王重態説はこれまでも度々報じられ、健康状態が年々悪化していることは間違いない。但し1995年に重い心臓病にかかって以来国政の実権は異母弟のアブダッラー皇太子が掌握しており、従ってファハド国王が死去しアブダッラー皇太子が国王に即位しても当面のサウジの内政・外交に大きな変動は無いと見られている。
しかしながらアブダッラーの後の次期皇太子としてファハド国王の実弟スルタン国防相、サルマンリヤド州知事などの名前が取りざたされているが、いずれも高齢であり次世代へのバトンタッチは時間の問題である。世界最大の石油埋蔵量を有し、またイスラム聖地マッカがあるサウジアラビアはイスラム教徒の精神的なシンボルでもあるだけに同国の後継者問題は世界的な注目を浴びている。
サウジアラビア王家及び継承問題についてはMENA Informantの下記レポート参照。
サウド家の構図
サウド家の妃達―スデイリ・セブンとファイサル家の姻戚関係
落日のサルマン家?
華麗なる一族―ファイサル家
サウジアラビアのRoyal Courtはファハド国王が昨日入院したと発表した。詳細な病状は公表されていない。Arab Timesは政府情報筋の話として国王は通常の医療検査を受けており健康状態は問題ないと報じている。
しかし情報が錯綜しており、リヤド発のAP電は匿名筋の情報として、国王は危険な状態にあり国家緊急令がひかれ、治安関係者の海外休暇出国はキャンセルされたと報じた。
国務相はAPの報道を否定し、また地元TVはアブダッラー皇太子がムバラク・エジプト大統領の問合せに対し同様の回答をしたと報じた。
市民はTVのニュースを注視しているが、市中の治安が強化された様子は見られない。
コメント:
ファハド国王は今年82歳。国王重態説はこれまでも度々報じられ、健康状態が年々悪化していることは間違いない。但し1995年に重い心臓病にかかって以来国政の実権は異母弟のアブダッラー皇太子が掌握しており、従ってファハド国王が死去しアブダッラー皇太子が国王に即位しても当面のサウジの内政・外交に大きな変動は無いと見られている。
しかしながらアブダッラーの後の次期皇太子としてファハド国王の実弟スルタン国防相、サルマンリヤド州知事などの名前が取りざたされているが、いずれも高齢であり次世代へのバトンタッチは時間の問題である。世界最大の石油埋蔵量を有し、またイスラム聖地マッカがあるサウジアラビアはイスラム教徒の精神的なシンボルでもあるだけに同国の後継者問題は世界的な注目を浴びている。
サウジアラビア王家及び継承問題についてはMENA Informantの下記レポート参照。
サウド家の構図
サウド家の妃達―スデイリ・セブンとファイサル家の姻戚関係
落日のサルマン家?
華麗なる一族―ファイサル家
2005年05月27日
5/27 Kuwait Times
クウェートの政府と議会は、クウェート人一家族あたり電力・水道代1,000KD(1US$=0.3KD)を免除することで合意した。これによる歳出増は約3.5億KDと見込まれる。
クウェートの電力・水道代は政府の補填により安く押えられており、電力は1KWHのコストが20fils(0.7US$)に対し料金は10分の1の2filsであり、水道は1000ガロンあたり2KDのコストに対し料金は0.8KDである。
クウェートは石油価格上昇の恩恵を受けてここ数年大幅な歳入増加を続けている。このため昨年はクウェート人一人当たり200KDのボーナスが支払われた他、本年5月にもクウェート人職員の月額給与が50KD引き上げられたが、これによる歳出増加は前者が1.9億KD、後者が1.5億KDである。
こうした一連の大判振る舞いは2007年の選挙を控えた議会の圧力によるものである。
コメント:
石油価格の高騰によりここ数年のクウェート予算は大幅な歳入超過を示している。例えばNational Bank of Kuwaitは昨年度実績は約100億ドル、今年度も130-185億ドルの歳入超過と推定している(5/11 Arab News参照)。このため政府黒字の還元を求める声が強く、大判振る舞いが続いている。
その背景には人気取りに狂奔する議員達と常に議会との対立に悩まされている政府(サバーハ家)と言う政治構造がある。一連の措置による支出増は石油収入の増加で十分お釣りが来るものである。しかしながらこのような国民を甘やかせる政策は、国民のバブル意識を高め、電気・水の節約意識も低めることになり、長期的に見れば、国家及び国民双方にとってマイナス面が大きいであろう。
クウェートの政府と議会は、クウェート人一家族あたり電力・水道代1,000KD(1US$=0.3KD)を免除することで合意した。これによる歳出増は約3.5億KDと見込まれる。
クウェートの電力・水道代は政府の補填により安く押えられており、電力は1KWHのコストが20fils(0.7US$)に対し料金は10分の1の2filsであり、水道は1000ガロンあたり2KDのコストに対し料金は0.8KDである。
クウェートは石油価格上昇の恩恵を受けてここ数年大幅な歳入増加を続けている。このため昨年はクウェート人一人当たり200KDのボーナスが支払われた他、本年5月にもクウェート人職員の月額給与が50KD引き上げられたが、これによる歳出増加は前者が1.9億KD、後者が1.5億KDである。
こうした一連の大判振る舞いは2007年の選挙を控えた議会の圧力によるものである。
コメント:
石油価格の高騰によりここ数年のクウェート予算は大幅な歳入超過を示している。例えばNational Bank of Kuwaitは昨年度実績は約100億ドル、今年度も130-185億ドルの歳入超過と推定している(5/11 Arab News参照)。このため政府黒字の還元を求める声が強く、大判振る舞いが続いている。
その背景には人気取りに狂奔する議員達と常に議会との対立に悩まされている政府(サバーハ家)と言う政治構造がある。一連の措置による支出増は石油収入の増加で十分お釣りが来るものである。しかしながらこのような国民を甘やかせる政策は、国民のバブル意識を高め、電気・水の節約意識も低めることになり、長期的に見れば、国家及び国民双方にとってマイナス面が大きいであろう。