2005年06月

2005年06月30日

6/30 Arab Times (Saudi Arabia)
バーレーンの野村證券は'The Great Arabian Bubble: Red Alert'と題するレポートでサウジアラビア株式が下落すると警告を発したが、その分析についてサウジ国内で議論を呼んでいる。サウジアラビアの株価は2003年1月当時の5倍に跳ね上がっているが、同レポートは株価が現実離れした水準にあり、急激で痛みを伴う見直し段階に向かいつつあるとしている。
 リヤド銀行のチーフ・エコノミストKhan Zahidは異論を唱え、津波のごとき需要に対し市場株が限られている以上、株価がどうなるかは明らかである、流動性が高く投資の選択が限定されている限りこの状態はまだまだ続く、と述べた。
 9.11事件後サウジの在米資産が一部還流したが、サウジ国内では投資対象が不動産と株式に限られており、これが株価上昇の原因と見られている。このため一部のエコノミストは、海外での運用条件が変わればサウジ人は資金を再度海外に振り向けると見ており、野村の見解に注目している。

コメント:
 原油価格が60ドルと言う歴史的な水準にありサウジアラビアはオイル・ブームに沸き立っている。国内での投資分野が不動産と株式にほぼ限られているためオイル・ブームは不動産ブームと株ブームとなっている。野村證券の指摘が正しいのか、サウジ人エコノミストの反論が正しいのか容易には判断できないが、ブームが永久に続くことがないのは事実であり、問題はブームがいつどのような形で終焉するかであろう。野村レポートをサウジアラビアの新聞が取り上げたことは、ブームが続くことを願いつつも、現状に不安感を持ち始めたサウジ人が多くなったことを意味すると思われる。日本におけるバブル崩壊前の現象と酷似している。


at 15:27Saudi Arabia 

2005年06月26日

6/26 Gulf Daily News (Bahrain)
 バハレーンのトヨタ代理店Kanoo社は、総額1千万BD(1US$=0.376BD)の最新鋭サービスセンターToyota Plazaを建設すると発表した。総面積27,000平方メートルのToyota Plazaは、修理・塗装工場、新車ショールーム、純正部品倉庫、従業員の理論および実技訓練所等を併設、100人の新規雇用が見込まれる。


at 17:31Bahrain 

2005年06月24日

6/24 Kuwait Times
 クウェート国会外交委員長のAl-Sager氏は、サバーハ首長家が同国の危機的状況を解決するよう異例の要請を行った。
 Al-Sagerは通常では国家的事項を審議する予算審議の場で「賢明な人々は危機から逃げることではなく防ぐことを知っている。これは首長家の責任である」とのべた。
 さらに彼は米軍主導のイラク解放戦争で重要な役割を果たしたクウェートが戦後ビジネスで最大の恩恵を受けるべきであるにもかかわらず、ここにはイラク大使館もないためビジネスマンはヨルダンに流れていると指摘し、さらにクウェートは1960年代は湾岸一の都市であったが、いまやドバイ、マナマ、ドーハ、リヤドについで5番目に落ち、またかつて湾岸諸国で最大であったクウェート航空は最小の航空会社になった、と嘆いた。
なお先月サバーハ家の一員でNational GuardトップのSheikh Salemが一族の内紛について警告を発し、一族の首脳会議が開かれている。

コメント:
 サバーハ家批判が公然とニュースになることは珍しく、さらに内紛のニュースが報道されることは極めて異例のことである。最近の原油高騰で国家収入は記録的な水準にある。しかしながらせきゆいがいのクウェート経済は湾岸戦争以後長期停滞状況にあり、イラク解放後も一向に活気が出ない(詳しくはMENA Informant「10年続く停滞と明日の見えないクウェート経済」参照)。
 また首長家はジャービル、サリームの二大家系の家長である首長、皇太子がいずれも病弱のため、国政の停滞と一族の内紛が無視できない状況にあるようだ。(MENA Informant「クウェート・サバーハ家の構図」及び6/11Kuwait Times皇太子入院報道参照)


at 15:08Kuwait 

2005年06月23日

6/23 Arab News (Saudi Arabia)
 サウジアラビア最大の銀行National Commercial Bank発行の第一四半期経済報告によれば、2005年の同国石油収入は3,980億SR(約1,060億US$)と予想している。これに非石油収入490億SRを加えると歳入総額は4,470億SRに達する。歳出は予算を300億SR上回る見込みであるが、それでも差し引き1,370億SRの歳入超過が見込まれる。
 また同行はGDP成長率を昨年の16.9%に対し今年度は9%と試算している。 ここ数年の黒字により、5年前に119%であった公的債務とGDPの比率は66%に低減している。


at 16:42Saudi Arabia 

2005年06月22日

6/21 Arab News (Saudi Arabia) - AFP電
 サウジ・アラムコ社は石油精製第6位の昭和シェル石油の株を5%
買い増し持株比率を14.96%とした。シェルグループの持株を買い取ったものでありシェルの持株比率は35.04%となった。

コメント:
 サウジ・アラムコは昨年7月にロイヤル・ダッチ/グループから昭和シェル株の9.96%を取得したが、その際の5%の追加取得が基本合意されており、今回その合意内容が実行されたものである。(詳細は6/21昭和シェル石油記者発表参照)
 なおアラムコは事業方針をこれまでの米英一辺倒から日・韓・中・印のアジア主要エネルギー消費国との提携にシフトしており、日本とは本件のほか住友石油化学との合弁事業が進行中である。
MENA Informant Report「サウジ・アラムコの対米戦略に変化の兆し」2004/7/11参照


at 13:20Saudi Arabia 
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