2010年08月
2010年08月29日
(オマーン)総延長1,000KM鉄道計画、技術コンサル契約の入札資格審査に30社が応募
(サウジ)バーハ州知事にミシャリ東部地区国家警備隊司令官。 *
(サウジ)ジェッダ商工会議所事務局長に女性起用か。 **
(ドバイ)韓国LGがJAFZAに中東アフリカ地域研修センターを設立
(注)
*ミシャーリ新知事はサウド故第二代国王の子息(32男)
**前事務局長の労働相就任にともない現在空席
2010年08月28日
(サウジ)長すぎる金曜礼拝の説教:当局が改善指導
(オマーン)公共特需に沸く建設業界
(UAE)今年のエレクトロニクス国内市場は27.7億ドル
(サウジ)家政婦虐待事件、スリランカ当局真相解明を申し入れ
2010年08月27日
(注)本稿はHP「マイライブラリー」に一括掲載されています。
(MENAなんでもランキング・シリーズ その6)
東はアフガニスタンから西はモーリタニアまでのMENA(中東・北アフリカ)22カ国をいろいろなデータで比較しようと言うのがこの「MENAなんでもランキング・シリーズ」です。「MENA」は日頃なじみの薄い言葉ですが、国ごとの比較を通してその実態を理解していただければ幸いです。
第6回のランキングは格付け会社が行なっている各国国債の信用格付け、いわゆる「ソブリン格付け」について比較しました。
1.ソブリン格付けについて
格付とは、国債や社債などの債券を発行する発行体の信用リスク、つまり債務の返済が予定通りに行われないリスクを、簡単な記号で投資家に情報提供するものである 。このような情報を提供しているのが格付け会社であり、全世界には多数の格付け会社があるが、その代表的なものはMoody's 、Standard & Poors(以下S&P) 及びFitchRating(以下Fitch)の3社である。3社で世界のシェアの9割を占めており、特にMoody's とS&Pは各々40%前後のシェアを有している。3社にはいずれも日本法人(又は支社)がある 。
「ソブリン格付け」は、英語のsovereign(主権)に由来する名称であり、国の信用力、すなわち中央政府(または中央銀行)が債務を履行する確実性を符号であらわしたものである。ソブリン格付けを付与するにあたっては、当該国の財政収支の状況、公的対外債務の状況、外貨準備水準といった経済・財政的要因だけでなく、政府の形態、国民の政治参加度、安全保障リスクなど政治・社会的要因を含めたきわめて幅広い要因が考慮される。
2.格付け符号について
ソブリン格付けの記号は各社によって異なり、格付け段階も債務不履行(デフォルト)のレベルを除くとS&Pは8段階、Moody’s及びFitchは9段階ある。これらは上位と下位の二つのグル―プに分けられ、上位グループは「投資適格」と呼ばれ、下位グループは「投資不適格」又は「投機的」と呼ばれている。各段階の呼称は各社によって多少異なるが、定義は各社とも大同小異である(各社の詳しい定義については「Sovereign長期信用格付けの定義」(http://menadatabase.hp.infoseek.co.jp/5-6bSovereignDefinition.xps)参照。)
(1)Moody’s
Moody’sの最上位の格付けはAaaであり、信用力が最も高く信用リスクが限定的である債務に対する格付けである。AaaからAa、A、Baaまでの4段階は信用リスクがあり「投資適格」とされ、それ以下のBa、B、Caa、Ca、Cは「投資不適格」又は「投機的」とみなされている。格付け最下位のCの場合は通常デフォルトに陥っており、元利の回収見込みも極めて薄い債務とされている。
なおAaからCaaまでの格付けには1,2,3という数字付加記号が加えられ、1はその格付けの中で上位に位置し、2は中位、3は下位にあることを示している。たとえばAa1, Aa2, Aa3は順次リスクが高くなるのである。
(2)S&P、Fitch
S&PとFitchは格付け名称は同じであり、AAA, AA, A, BBB, BB, B, CCC, CCの8段階とされている。S&Pの場合、AAAは最上の信用力として、債務履行の確実性が最も高く、予想されうる状況変化の下で信用リスクが増大する可能性はほとんどないものとされ、AAAからBBBまでは投資適格のカテゴリーである。これに対しBB以下CCまでは投機的要素が強いとみなされている。(Fitchの定義もほぼ同様である)
AAからCCCまでの格付けにはプラス記号またはマイナス記号が付けられることがあり、それぞれ各カテゴリーの中での相対的な強さを表している。さらにそれぞれの格付けの現状について「positive」、「negative」或いは「stable」と呼ばれる評価が与えられている。Positiveは近い将来格付けが上方修正される可能性が高いことを示しており、逆にnegativeは下方修正される可能性を示している。そしてstableとされているのは現在の評価が当分維持されることを意味している。
ソブリン格付けには外貨建てと自国通貨建てがあり、またそれぞれに長期債務、短期債務の二種類があるが、本稿では2010年8月24日現在の外貨建て長期債務を取り上げている。
(続く)
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前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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2010年08月26日
(中東全般)中東の航空需要の伸びは世界一:IATAレポート
(クウェイト)石油相:国境をまたぐ油田の開発でイラクと基本合意。
(バハレーン)Al Watan編集者、暴漢に襲わる。
ナタンズ爆撃(2)
ちょうどそのころ幹線道路から分かれナタンズに向かう軍用道路をトラックが土煙を上げながら走っていた。荷台にはイスファハンの市場で仕入れた野菜や果物、肉類など食料品が山積みである。モスクから朗々と流れる夜明けの祈りの声を後に出発して数時間。目的地まであとわずかである。太陽がじりじりと照りつけるこの時間、往来の車がほとんどない荒野の直線道路は睡魔が襲ってくる。彼はラジカセのボリュームを眼一杯上げ、メロディーに合わせて大声を出しながらハンドルを握っていた。
その時フロントグラスの斜め、ペルシャン・ブルーそのままの碧空にきらりと物体が光った。ハンドルに両手を預け身を乗り出してその方角を見ると、3本の矢が真っ直ぐこちらに向かってくる。3本の矢がやがて一本の巨大な槍に変身したとき、運転手はそれが3機のジェット戦闘機であることに気がついた。イスファハン郊外の空軍基地から飛び立つジェット機を見慣れた運転手も、このような辺鄙な場所で急降下する戦闘機を見るのは初めてである。彼は眠気も忘れ固唾をのんで凝視した。
先頭のジェット機から一筋の白く細い煙が立ち上り、すぐに二筋目の煙があがった。小さな物体が地上の建物に猛スピードで突っ込んでいった。巨大な砂煙があがり大きな爆発音が連続して聞こえた。道路が脈動しトラックは危うく路肩をはずれそうになり、運転手はあわててハンドルにかじりつきブレーキを踏んで急停車した。様子を確かめようと窓を開けた運転手の顔を熱風と砂塵が襲いかかった。砂煙の中から戦闘機が急上昇するのを運転手は茫然と眺めていた。
(続く)
(この物語はフィクションです。)