2014年07月

2014年07月31日











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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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(続く)


 なお日本、米国、中国の流入残高はそれぞれ1,710億ドル、4兆9千億ドル及び9,600億ドルである。MENAトップのサウジアラビアに比べると、日本は同国よりやや少なく、米国は24倍、中国は4.6倍である。またMENA全体の投資残高(1兆50億ドル)は、中国のそれを少し上回っており、日本の6倍、米国の5分の1である。


 カタールは投資残高ではMENA10位であるが単年度流入額は-8億ドルの純減となっておりMENAの中では最下位である。同国はLNG生産7,700万トン体制が完了したため投資が峠を越えた状態である。2022年のワールドカップのための大規模な工事が始まっているが、これらは政府資金或いは国内の民間資本で賄われ、海外からの投資は少ないものと思われる。


 2013年の単年度流入額(本レポート第1章参照)と残高順位を比較すると、流入額ではトルコ1位、イスラエル2位、UAE3位、サウジアラビア4位、エジプト5位であり、残高ではサウジアラビア1位、トルコ2位、UAE3位、イスラエル4位、エジプト5位であり、これら5カ国はMENAの中で外国投資家の人気が高いことがわかる。


 6位以下10位まではレバノン(556億ドル)、モロッコ(503億ドル)、イラン(409億ドル)、チュニジア(336億ドル)、カタール(300億ドル)であり、イエメン及びパレスチナ自治政府は投資残高100億ドル以下である。


 投資残高の最も多い国はサウジアラビアの2,083億ドルであり、2位はトルコの1,455億ドル、3位はUAEの1,055億ドルであり、MENAの中ではこれら3カ国が1千億ドルを越えている。これら3カ国がMENA全体に占める割合は46%に達する。続く4位はイスラエル(882億ドル)、5位エジプト(850億ドル)である。これら5カ国の中ではトルコが前年度より356億ドルの大幅減少であり、一方サウジアラビア、UAE、イスラエル及びエジプトの4カ国はそれぞれ93億ドル、105億ドル、122億ドル、96億ドル増加している。


(高い投資流入残高を誇るサウジアラビアとトルコとUAE!)
5.2013年末のFDI Inward Stock(直接投資流入額残高) 
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/4-T05.pdf 参照)
 2013年末のMENA直接投資流入額残高(以下流入残高)総計は1兆50億ドルであり、世界全体の流入残高25兆4,600億ドルに占める比率は4.0%であった。同年中のMENAの直接投資流入額の全世界に占める割合(4.9%)よりやや低い。

(注)本シリーズ1~13は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0320MenaRank4.pdf

(MENAなんでもランキング・シリーズ その4)



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2014年07月30日

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2014年07月28日

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2014年07月26日

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(注)本シリーズ1~13は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0320MenaRank4.pdf

(MENAなんでもランキング・シリーズ その4)

4.2008-2013年の対外投資額の推移(続き)
(対外投資が低迷するUAE、上向くカタール!)
(2)GCC6カ国の対外直接投資の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/4-G03.pdf参照)
 GCC6カ国の2008年から2013年までの対外投資を各国別に比較するといくつかの特徴が見られる。2008年の対外投資額はUAEが158億ドルでクウェイトの91億ドルを大きく引き離し6カ国の中で唯一100億ドルを超えていた。その他のGCC4カ国はカタール37億ドル、サウジアラビア35億ドルであり、石油生産量が少ないバハレーン及びオマーンの対外投資は各々16億ドル及び6億ドルと非常に少なかった。


 しかし2009年にUAEの投資額は一挙に前年の6分の1の27億ドルに激減し、前年比微減にとどまったクウェイト(86億ドル)或いはカタール(32億ドル)を下回った。UAEの対外投資はその後も横ばい状態で20億ドル台に終始している。UAEのうちドバイはアブダビのような自らのオイルマネーを持たないが、地域の金融センターとしての強みを活かし周辺諸国の民間余剰資金を集めて対外投資を行っており、このためドバイの海外直接投資は世界の金融市場に強く影響される。2008年、09年のリーマンショック及びドバイショックによる2009年以降の急落と低迷はまさに世界の投機資金によるマネーゲームの結果が反映されていると言えよう。


 これに対してクウェイトはUAEほどの大きな下ぶれはなく、2010年から2012年にかけて30~40億ドルで推移した後2013年には84億ドルに回復している。第3項(2)でもふれたとおりクウェイトは国内に投資機会が殆どないため、有り余るオイルマネーは海外投資に向かっているのである。


 GCCで最大の石油収入と人口を誇るサウジアラビアの対外投資は2008年の35億ドルから翌年には22億ドルに低下したが、2010年には39億ドルに戻し、2011年以降は34億ドル→44億ドル→49億ドルと毎年増加傾向にある。

 カタールは2008年、2009年は30億ドル台にとどまっていたが2011年には他の5カ国が低迷する中で前年比3倍の60億ドルに増加、GCCのトップに躍り出ている。そして2013年はクウェイトに並ぶ80億ドルの対外投資を行っている。同国は天然ガスの輸出が好調であり、政府系ファンド(SWF)による欧米の企業或いは銀行に対する出資・買収が盛んである。なお同国は昨年7月首長がハマドから息子のタミームに交替している。ハマド首長時代に活発であったSWFカタール投資庁(QIA)の動きが鈍っており今後の投資動向が注目される。


 GCC各国の海外投資動向は余剰オイルマネーの額に比例し、国内経済の規模に反比例すると考えられる。つまり石油・天然ガスの生産量が多い国は多額の余剰マネーが発生しその投資先を国内外に求める。その場合人口が多く国内経済規模が大きなサウジアラビアでは国内での投資機会が多く資金は国内に向かう。ところが人口が少ない割にオイルマネーが豊富なクウェイト、UAE及びカタールの場合は余剰資金は海外に向かう傾向がある。


(続く)


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