2014年10月

2014年10月31日

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0328MenaRank3.pdf


(MENAなんでもランキング・シリーズ その3)


(高度成長を続けるカタールと中国、成長軌道に乗る米国!)
4.GCC主要4か国と米国、日本、中国のGDP成長率の推移(2011~2015年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/3-G01.pdf参照)
 GCC4カ国(サウジアラビア、UAE、クウェイト及びカタール)と米国、日本、中国の6カ国の2011年(実績)から2015年(見込み)の5年間の成長率を比較すると、2011年はカタール(13.02%)、クウェイト(10.21%)、中国(9.3%)、サウジアラビア(8.57%)の4カ国がきわめて高い。UAEは4.89%で4カ国よりかなり低いが、米国と日本はこれよりさらに低く米国は1.6%であり、日本の場合はマイナス成長(-0.45%)にとどまっている。


 その後2012年から2013年にかけてGCC諸国の成長率は鈍化し、特にクウェイトは8.31%(‘12年)→―0.44%(’13年)と急激に落ち込み、カタールも2012年の成長率が6.12%と前年の半分以下に急落、サウジアラビアも5.81%(‘12年)→3.95%(’13年)に下落している。しかしそれ以降クウェイトを除くGCC3カ国は4%から7%台の安定した成長率を示している。


 この間、中国は7%台の高度成長を続けており、各国の今年の成長率は中国7.54%、カタール6.53%、サウジアラビア4.60%、UAE4.28%、米国2.15%、クウェイト1.39%、日本0.89%と予想されている。また来年2015年の見込み成長率はカタール7.70%、中国7.54%と両国が高度成長を続け、UAE(4.50%)、サウジアラビア(4.46%)及び米国(3.09%)は安定した成長が見込まれている。クウェイトと日本はそれぞれ1.79%、0.83%の低い成長率である。注目されるのは日本がわずかなプラス成長にとどまるのに対して米国の成長率が今年を上回り過去5年間では最も高い成長率が予測されていることである。


(完)


本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp



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2014年10月30日

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2014年10月29日

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(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0328MenaRank3.pdf

(MENAなんでもランキング・シリーズ その3)


(カタールの一人当たりGDPは日本の2倍以上!)
3.MENA各国の一人当たりGDP
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/3-T03.pdf参照)
 2014年(見込み)の一人当たりGDPがMENA諸国で最も大きい国はカタールの94,744ドルである。これはルクセンブルグ(116,752ドル)、ノルウェー(99,295ドル)に次いで世界で も三番目に高い。MENAでカタールに続くのがクウェイト(44,850ドル)及びUAE(44,771ドル)であり、カタールが飛びぬけて高いことがわかる。ちなみに米国は54,678ドル(世界9位)、日本は46,175ドル(世界26位)であり、いずれもクウェイト、UAEよりは高い。


 4番目に高いイスラエルは37,914ドル、5位から7位にはバハレーン(28,424ドル)、サウジアラビア(25,401ドル)、オマーン(21,688ドル)が2万ドル台で並んでおり、MENA上位7カ国のうちGCCが6カ国を占めている。8位レバノン(10,531ドル)及び9位トルコ(10,518ドル)の両国は1万ドルを超えているものの7位オマーンの半分以下である。


 10位のリビア以下は下記の通りいずれも一人当たりGDPは1万ドル未満である。
リビア(7,942ドル)、アルジェリア(5,886ドル)、イラク(5,687ドル)、イラン(5,165ドル)、ヨルダン(4,618ドル)、チュニジア(4,467ドル)、)モロッコ(3,392ドル)、エジプト(3,337ドル)、イエメン(1,655ドル)、(シリア、パレスチナは公表数値なし)。ちなみに中国の一人当たりGDPは7,572ドルであり、リビアとほぼ同水準である。


 MENA最下位のイエメンはトップのカタールの実に60分の1である。地域の大国と言われるトルコ、イラン、エジプトは人口が多いため一人当たりGDPはMENAの中下位グループにとどまっており、トップのカタールと比べた場合、トルコは9分の1、イランは20分の1、エジプトは30分の1にすぎない。


 MENAの平均の一人当たりGDPは20,055ドルであり、世界的にみると40位以内でかなり高い水準と言えよう。これはカタール、クウェイト、UAE、サウジアラビアなどのGCC産油(ガス)国があり、しかもカタール、UAEなどは人口が少なくこれらGCC諸国が地域全体をかさ上げしているためである。ちなみにGCC6カ国の平均は43,313ドルでありMENA平均を2倍以上上回っている。


 なお一人当たりGDPは各国のGDP総額を人口数で割ったものであるが、IMF統計における計算の母数となる人口、特にGCC諸国の人口数については注意すべき点がある。例えばカタールの人口は約200万人とされており、同国の一人当たりGDP94,744ドルは同国のGDP(2,120億ドル。前項参照)をその人数(224万人)で割ったものである。しかし同国人口のうち80%以上はインドなど貧しい国からの出稼ぎ労働者が占めており、カタール国籍を有する自国民は40万人足らずと言われる。通常、統計上の人口数は国籍を有する者のみが対象で一時的な出稼ぎ労働者は含まないが、カタールの一人当たりGDPには出稼ぎ労働者も含まれており実態を正確には表していないと言える。このことは外国人比率が7割を占めるUAE或いはクウェイトについても言えることであり、3分の1が外国人であるサウジアラビアの場合も程度の差はあれ同様である。


 このような要素を加味してGDPを算出した統計は見当たらないが、実態的に言えばカタール、UAE、クウェイトの一人当たりGDPはIMF公表数値の数倍に達すると考えられ、これら湾岸産油国の一人当たりGDPが世界最高レベルであることは間違いないであろう。


(続く)


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2014年10月25日

(注)本シリーズ1~4回は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0327MenaRank12.pdf

(MENAなんでもランキング・シリーズ その12)


(急激に順位を落とすエジプトとシリア!)
4.2009年~2014年の世界順位の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/12-G01.pdf 参照)
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/12-T03.pdf参照)
 ここではMENAの8か国(カタール、UAE、バハレーン、エジプト、トルコ、イラン、リビア、シリア)とMENA19カ国の平均並びに日本について2009年から2014年までの順位の変動を見てみよう。
 
 2009年のこれら8カ国の世界順位はそれぞれ、カタール16位、UAE40位、リビア46位、エジプト54位、バハレーン69位、シリア92位、イラン99位、トルコ121位であり、カタール、UAE及びリビアは世界(140か国)の50位以内に、そしてエジプト、バハレーン、シリア、イランが51~100位以内に入り、トルコだけが100位以下(121位)であった。またMENAの平均順位は80位であり世界平均をやや下回っていた。


 ところがカタールは16位(09年)→15位(10年) →12位(11年) →12位(12年) →19位(13年) →22位(14年)と推移し、UAEも40位(09年)→44位(10年) →33位(11年) →46位(12年) →36位(13年) →40位(14年)と毎年ほぼ同じレベルを続けている。その一方、その他の6カ国は年を追うごとに低落傾向を示している。


 中でも極端に順位を落としたのはエジプトとシリアである。エジプトの場合は54位(09年)→49位(10年) →73位(11年) →111位(12年) →113位(13年) →143位(14年)と2010年以降毎年順位が下がり2012年に100位以下になった後も悪化の一途をたどっている。また2009年に92位であったシリアは翌年年から100位以下に転落、昨年は160位、今回は世界最下位の162位となっている。このように各国が順位を下げた結果、MENAの過去6年間の平均順位も2009年の80位が最高で、2012年以降は世界100位以下に低迷している。


 上位で安定しているカタールとUAEは湾岸の絶対君主制国家であるが、同じ君主制国家のクウェイト、ヨルダンも安定して上位にランクされており、モロッコも60位前後で安定している。またここでは取り上げていないが2009年から2012年まで100位以下であったサウジアラビアは前回97位、今回80位と順位を上げており、オマーンは「アラブの春」でそれまでの20位台から大きく順位を落としたものの50位前後で安定した状態にある。


 上記の国々はいずれも君主制国家である。君主制国家が平和度では上位を占めてそれなりに安定しているのに対して、エジプト、シリアなどの共和制国家は年々平和の度合いが低下している。MENAでは絶対君主制国家が平和で民主制共和制の国家群が平和ではないという皮肉な結果を示している。


以上


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