2014年12月
2014年12月31日
・世界主要国及びMENAのソブリン格付け比較(Standard & Poors:2015年1月 vs 2014年7月)
http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-G-3-01.pdf
2014年12月30日
・世界の政府系ファンド一覧表(2015年1月現在)
http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-G-2-05.pdf
(注)本レポート(1)~(5)は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0334MenaRank9.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その19)
5.主要5カ国の項目別世界順位(レーダーチャート)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/9-G02.pdf 参照)
サウジアラビア、UAE、トルコ、エジプト及びイランに日本と米国を加えた7カ国の総合指数及び7つのPillar(項目)の世界順位をレーダーチャートで比較してみる。
レーダーチャートは最も外側が世界順位1位であり内側の中心は世界151位である。また最上段の総合順位以下時計周りの1から7までの数字は各Pillarを示している。各分野の世界順位を結ぶ輪が各国の状況である。レーダーチャートの輪が外側に広がっているほど世界での順位が高く、また輪の形が真円に近いほど各分野のバランスが取れていることを示している。
(1)UAEと日本、米国の比較
総合指数が世界8位の日本と14位のUAE、米国を比較すると、3カ国は多くの項目で高い順位を得ており、特に(4)のTransport infrastructureはUAEが世界1位、日本及び米国は世界7位であり評価が非常に高い。その一方(2)Foreign market accessは3カ国共世界130位前後と最低レベルであり、特に日本は世界最下位である。
その他の項目は3カ国ともほとんどが世界20位以内である。その中で3カ国の評価が分かれた項目は例えば(5)Transport serviceについては日本が世界1位に対して米国は11位、UAEが26位で日本が最も高い。
(2)サウジアラビア、トルコ、エジプト及びイランの比較
総合順位はサウジアラビアとトルコは共に45位で世界の上位グループであり、エジプトとイランはそれぞれ世界96位、128位と下位グループである。従ってほとんどの項目でサウジアラビアとトルコがエジプトあるいはイランを上回っているが一部の項目では4カ国の順位に変動がある。
例えば(2)Foreign market accessではエジプトが世界38位で4カ国の中では最も高くトルコ(79位)、サウジアラビア(126位)を大きく上回っている。また(6)Availability and use of ICTsの項目ではサウジアラビアが世界35位でエジプト(60位)、トルコ(72位)と3カ国の中ではトルコが最も低い。イランはすべての項目において他の3カ国を下回っている。
4カ国のレーダーチャートの広がり具合を比べるとトルコが比較的真円に近く全体のバランスが取れていることがわかる。これに対してサウジアラビアは(1)Domestic market access及び(2)Foreign market accessの順位が低く全体的にいびつな形となっている。同国は(6)Availability and use of ICTsや(7)Operating environmentの評価が高いが内外への市場の開放度がマイナス評価されている。またエジプトは(2)Foreign market accessのみが突出して評価が高く、(3)Efficiency and transparencyの評価が低いちぐはぐな状況である。
(完)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
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2014年12月29日
(注)本レポート(1)~(5)は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0334MenaRank9.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その19)
4. 過去5回(2008~2014年)の世界順位の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/9-T02.pdf 参照)
2008年、2009年、2010年、2012年及び2014年の過去5回すべてにランク付けされたMENAの国はGCC6か国のほかトルコ、エジプト、イスラエル、アルジェリア、ヨルダン、モロッコ及びチュニジアの13か国である。
全世界の評価対象国の数は2008年が118カ国でありその後毎回増加し2014年には138カ国に達している。このため各国の世界順位の推移を単純比較することは若干問題があるが、ここではその点を無視して各国の世界ランクとMENAにおける順位の推移を見てみよう。
UAEは過去5回を通じてMENAのトップである。同国の国際順位は23位(08年)→18位(09年)→16位(10年)→19位(12年)→14位(14年)であり、2009年以降は4年連続して世界の上位20か国に名を連ねている。これを日本及び米国と比較すると、日本は13位(08年)→23位(09年)→25位(10年)→16位(12年)→8位(14年)であり、また米国は14位(08年)→16位(09年)→19位(10年)→23位(12年)→14位(14年)である。これら3カ国の順位争いはシーソーゲームの感がある。
MENAの2位は2008年がイスラエル、2009,2010年はバハレーン、2012年はオマーン、2014年にはカタールとほぼ毎年顔ぶれが異なっている。このうちカタールの世界順位は41位(08年)→35位(09年)→34位(10年)→32位(12年)→19位(14年)と毎年着実に順位を上げており、特に前回から今回にかけて順位を大きく伸ばしているのが特徴である。地域における技術先進国イスラエルの場合は、28位(08年)→29位(09年)→26位(10年)→28位(12年)→29位(14年)と順位にほとんど変化がなく貿易円滑度が安定していることをうかがわせる。
サウジアラビアは2008年の53位以降毎年順位を上げ2012年には世界27位まで躍進したが今回は45位に後退、5~6年前の水準に戻っている。エジプトは2009年の75位をピークにその後は毎年順位を下げ、今回は100位割れ寸前の96位である。またMENAの世界平均順位は57位(08年)→51位(09年)→53位(10年)→64位(12年)→64位(14年)でありエジプトと同じような傾向をたどっている。
因みに日本、米国、中国及びインドの過去6回の世界順位は以下のとおりである。
日本:13位(08年)→23位(09年)→25位(10年)→16位(12年)→8位(14年)
米国:14位(08年)→16位(09年)→19位(10年)→23位(12年)→14位(14年)
中国:48位(08年)→49位(09年)→48位(10年)→56位(12年)→45位(14年)
(続く)
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