2015年01月
2015年01月31日
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0336MenaRank19.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その19)
5.主な国の要素別開発指数の比較(レーダーチャート)
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/19-G01.pdf 参照)
ここでは総合指数及びそれを構成する三つのサブ指数(オンライン・サービス、通信インフラ、人材)についてイスラエル、GCC6カ国及びトルコ、エジプト、イランの10カ国、並びに韓国(総合世界一位)、日本、米国及び中国を加えてレーダーチャートで比較する。
これら14カ国をその指数レベルに応じて便宜的にAグループ(高度開発国:イスラエル、韓国、日本及び米国)、Bグループ(GCC6カ国)及びCグループ(低度開発国:トルコ、エジプト、イラン及び中国)の3グループに分けレーダーチャートで表示した。
レーダーチャートは例えばAグループの場合は最も外側が1.000、中心は0.700であり、各国の評価は総合指数と3つのサブ指数を結ぶ四角形で表される。四角形の各点が外側にあるほどその国の開発度が高いことを示しており、また4点を結ぶ形状が正方形に近いほど開発の均整が取れていることを示している。なお指数の表示範囲はAグループが最外周1.000、中心部0.700であり、Bグループは1.000~0.500、Cグループは0.800~0.200である。
(1) Aグループ(高度開発国:韓国、日本、米国及びイスラエル)
世界1位の韓国はすべての指数が0.900以上、総合指数は0.9642であり、人材指数(0.9273)は米国(0.9390)よりわずかに低いがオンライン・サービス指数0.9764、通信インフラ指数0.9350は4カ国の中で最も高く、全体として均整のとれた開発度を示している。
日本は総合指数(0.8874)及びオンライン・サービス(0.9449)が米国(各々0.8748、0.9449)でほぼ同じであるが、通信インフラ指数は0.8553で米国の0.7406を大きく引き離している。その一方、人材指数は0.8621にとどまり米国(0.9390)をかなり下回っている。イスラエルは総合指数が0.8162で4カ国中最も低い。オンライン・サービスが3カ国よりかなり低く、また通信インフラ指数も米国と並んで低い。
(2) Bグループ(GCC6カ国:サウジアラビア、UAE、カタール、クウェイト、オマーン、バハレーン)
GCC6カ国はMENA19か国の中ではイスラエルについで2位から7位まで上位を占めている。6カ国の順位はバハレーン、UAE、サウジアラビア、カタール、オマーン、クウェイトの順番であり総合指数はバハレーンが0.8089で最も高く、最も低いのはクウェイトの0.6268である。
バハレーンはすべての指数で他の5か国を上回っており、総合指数ではイスラエルと並びMENAでは唯一0.8000台である。サブ指数のうちオンライン・サービスの指数は6カ国で大きな差があり、バハレーンの0.9370に対しUAEは0.8819、サウジアラビアとオマーンが0.7000台、カタールは0.6000台、クウェイトは6カ国で最も低い0.5748でありバハレーンと大きな差がある。
通信インフラに関してはバハレーンの0.7055に対してその他の5か国は0.5000~0.4000台である。比較的6カ国の格差が少ないのは人材指数であり、バハレーンの0.7840に対してサウジアラビア及びクウェイトも指数0.7000台である。6カ国の中で最も低いオマーンは0.6624となっている。
(3) Cグループ(低度開発国:トルコ、エジプト、イラン及び中国)
地域の大国であるトルコ、エジプト及びイランはE-Government開発指数に関しては中国とともに開発度の低い国といえる。4カ国の各指数に大きな差異はなく、総合指数ではトルコが0.5443、中国0.5450、エジプト0.5129、イラン0.4508でイランは若干見劣りがする。オンライン・サービス指数もイランは0.3701であり、0.6000前後である他の3カ国との格差が大きい。インフラ指数も同様の傾向を示している。人材指数は4か国間に大きな開きはなく、トルコの0.7133が最も高く、イラン(0.6882)、中国(0.6734)と続きエジプト(0.5912)が最も低い。
以上
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前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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2015年01月29日
(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0336MenaRank19.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その19)
4.通信インフラ、人材の2部門でイスラエルがトップ:要素別開発指数
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/19-T021.pdf参照)
E-Government開発指数は(1)Online Service(オンライン・サービス), (2)Telecommunication Infrastructure(通信インフラ)及び(3)Human Capital(人材)の3つの分野で構成されており、それらを総合した世界193カ国あるいはMENA19か国の順位はすでに説明したとおりである。本項では各国の3分野の指数及びMENAの順位を概観する。
(1) Online Service(オンライン・サービス)
オンライン・サービスの開発指数がMENAで最も高いのはバハレーンの0.9370である。指数が0.9台を超えているのはMENA19か国の中でバハレーンだけであり、この分野では韓国(総合世界1位)の指数0.9764、同6位の日本の0.9449、同7位米国の0.9449とそん色の無い指数である。
オンライン・サービスでバハレーンに続いて高いのはUAE(指数0.8819)及びイスラエル(同0.8740)が0.800台であり、サウジアラビアは0.7717、オマーンは0.7323である。このほか指数が0.600台の国はモロッコ、カタール、チュニジア、0.500台の国はエジプト、クウェイト、トルコ及びヨルダンの各国であり、MENAの平均は0.5213である。なお中国の指数は0.6063でエジプトを少し上回る水準である。
その他イラン、レバノン等7カ国は指数が0.500未満で開発度が低く、特にアルジェリア及びリビアの開発度は0.100未満となっている。
(2) Telecommunication Infrastructure(通信インフラ)
通信インフラの開発度が高い国はイスラエルとバハレーンが指数0.700台であるが、その他のMENA各国は0.500台以下であり上位2カ国との格差が大きい。因みに韓国は0・9350、日本は0.8553であり、イスラエル、バハレーンをかなり上回っている。
UAEはドバイが先端インフラを備えた都市としての評価が高いが、通信インフラに関しては開発指数は0.5932であり必ずしも欧米先進国の水準には達していないようである。サウジアラビア、カタール、クウェイトなどGCC各国もUAEとほぼ同程度の開発度と評価されている。MENAの平均値は0.4036であるが、シリア、アルジェリア及びイエメンはこの水準を大幅に下回っている。因みに中国の指数は0.3554でMENAではエジプト、リビアと同程度である。
(3) Human Capital(人材)
人材面で高い評価を受けているのはイスラエル(指数:0.8545)であり日本とほぼ同等である。この分野で世界最高レベルにあるのは米国(指数:0.9390)あるいは韓国(同:0.9273)である。イスラエル以外のMENA各国の開発指数は低く、同国に続くバハレーンの指数は0.7840である。ただしこの指数は他の二つの指数に比べ世界的な格差が比較的小さく、MENAの平均値は0.6654となっている。
(続く)
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