2015年03月

2015年03月11日

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2015年03月09日

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(注)本レポート1~4は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0338SaudiRoyalFamily2015.pdf

 

1.はじめに
 1月23日、アブダッラー前国王の死去に伴い第7代国王にサルマンが即位してから1カ月半が経過した。新国王は即位直後の演説で前国王の路線を踏襲すると語ったが、その後副皇太子指名、内閣改造、州知事の交代、第三世代王族の登用、そして各種の行政横断的協議体を廃止し二つの最高会議に簡素化するなど勅令を連発、急速に独自色を打ち出している。


 内閣改造ではサウド外相、ナイミ石油相など主要閣僚は留任しており確かに政策の継続性を印象付けてはいるが、その陰で4男の息子アブドルアジズを石油省副大臣に昇格させ、あるいは7男で国防相のムハンマドを最高会議のうちの一つの議長に任命した。一方でリヤドとマッカの州知事であったアブダッラー前国王の息子二人を解任するなどアブダッラー色を払拭する人事も行っている。


 サルマンのこれまでの政治姿勢に加えて上記の事実から透けて見えるのは、サルマン新国王の政治スタイルがコンセンサス(アラブ・ベドウィン風に言えば「マジュリス」)を重視したアブダッラー前国王のそれとは大きく異なると予想されることである。サルマンの政治スタイルは息子などの縁故者あるいは側近を加えた密室政治に変容するのではないかと言うのが筆者の見方である。


 現在のサウジアラビアはシリア・イラク国境にまたがるスンニ派過激派組織「イスラム国」の脅威に直面しており、また南の隣国イエメンでは同じスンニ派の過激テロ組織「アラビア半島のアル・カイダ」が「イスラム国」への対抗意識むき出しで活動を活発化させている。さらには国境のすぐ南に住むシーア派部族フーシー勢力が国家権力を掌握しイランの影響力の増大が懸念されている。サウジアラビアは東のイラン、北の「イスラム国」、南のイエメンの三方面に難題を抱え厳しい外交政策を強いられている。


 一方サウジアラビア経済の屋台骨である石油は一時100ドル/バレルを超えた価格が半値以下に下落、今年度は大幅な赤字予算となるなど深刻な歳入不足に直面している。昨年12月のOPEC総会で減産しなかったことが一方の原因であり、世界の需要が停滞する中で米国シェールオイルの増産の勢いが止まらないことが他方の原因である。サウジアラビアと新興勢力米国のシェールオイル産業が対抗する構図となり、どちらが先に音を上げるかまさに「チキンレース」の様相を呈している。


 そして内政面ではサウド家第三世代への権力継承という厄介な問題も抱えている。これまでアブドルアジズ初代国王の息子たちによって平穏に継承されてきた王位も現在のムクリン皇太子が最後である。故ナイフ内相の息子が副皇太子に指名され第三世代の中で一歩抜け出したことは間違いない。しかしその他の第三世代の王子たちが今後どのようにして権力中枢に姿を現すのか、あるいは逆に権力基盤から滑り落ちるのか、予測ははなはだ難しい。ファハド第五代国王以降、それぞれの時代の国王あるいは皇太子のもとで第三世代の息子たちが繰り広げてきた栄枯盛衰の例は枚挙にいとまがない。現在のサルマン体制といえどもいずれ訪れるポスト・サルマン時代にどうなるかはわからない。


 サルマン新国王の体制下でサウジアラビアは国内外の多くの局面で変化を余儀なくされる。本稿では(1)石油政策、(2)外交政策および(3)サウド家第三世代王族の消長の三点に絞ってサウジアラビアの今後を占ってみたい。


(続く)


本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp



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2015年03月06日

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2015年03月04日

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