2015年05月

2015年05月27日

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0344MenaRank17.pdf

(MENAなんでもランキング・シリーズ その17)

4.レーダーチャートに見る分野別の優劣
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/17-G02.pdf参照)
 ここではMENAの主要7か国および米国、日本、中国について総合順位の近接した国を以下の4つのグループに分け、それぞれのグループ内で項目別に見た各国の優劣度を比較する。
(1) グループ1:イスラエル(世界21位)、UAE(同23位)、サウジアラビア(同35位)
(2) グループ2:エジプト(世界94位)、イラン(同96位)、アルジェリア(同120位)
(3) グループ3:トルコ(世界32位)、中国(同62位)、MENA平均(同70位)
(4) グループ4:米国(世界7位)、日本(同16位)


(1) グループ1:イスラエル、UAE、サウジアラビア
 これら3か国は世界順位がかなり高い。UAEとサウジアラビアは産油国であり、イスラエルは高度な産業国家という違いはあるがいずれも豊かな国である。イスラエルは4. Affordability(IT機器・ソフト入手の難易度)および5. Skills(IT技術の習熟度)のランクの世界順位が低いが、その他の項目の多くは20~30位でありITネットワーク整備は均整の取れた発展度合いを示している。
 なおサウジアラビアおよびUAE の4. Affordabilityの世界順位はそれぞれ122位、114位とイスラエルよりもさらに低く、また後に述べるように米国、日本の両国もこの項目が分野別順位の中でかなり低い。一方総合順位の低いエジプト、イランはこの項目が突出して高い。このことから4. Affordabilityは豊かな国では低く、貧しい国では高い傾向にあると言えよう。
 UAEとサウジアラビアは項目別順位が似た傾向を示している。このうちUAEは2. Business & innovation environment、8. Government usageおよび9. Economic impactsの3分野でいずれも世界2位という高い順位を獲得している。


(2) グループ2:エジプト、イラン、アルジェリア
 これら3か国は総合順位がそれぞれ94位、96位および120位であり、世界143か国中の下位グループに位置する。項目別に見ても大半の項目は世界順位100位以下である。但し上記(1)に触れた通りエジプトおよびイランは4. Affordabilityだけが突出して高い。またアルジェリアはUsage(利用度)の3部門(6.個人、7.企業、8.政府)および2. ビジネス環境ITインフラ分野の整備が遅れるなど分野により極端に世界順位が低い。ここに挙げた3か国は全体的にITの整備が遅れているとともに分野別にばらつきが大きくレーダーチャートはいずれもかなりいびつな形となっている。


(3) グループ3:トルコ、中国、MENA平均
 トルコは総合世界32位、中国は同62位であり、トルコは世界143か国の中ではかなり上位にあり、中国も上位グループに入っている。両国とも近年経済発展を遂げつつあり、これに伴いネットワークの整備も進んでおり、レーダーチャートも今後全体的に外側へ広がる(即ちすべての項目で世界順位が上がる)ものと思われる。しかし現在のところ項目によりは凹凸がある跛行状態である。典型的な例がUsage(利用度、6, 7 & 8)の分野であり、両国とも政府部門の利用度が高い(トルコ:世界6位、中国:世界39位)が、個人の利用度はトルコ44位、中国80位と低い。


(4) グループ4:日本、米国
 日米両国はITネットワークの整備度は世界トップクラスである。分野別で見ると米国は4つの項目が世界のベストテンに入り、3つの項目が20位以内に入るなど、レーダーチャートは大きな真円に近い。これに対して日本も4つのサブ項目が世界20位以内に入っているが、7. Business usage、9. Economic impactsの分野のランクが高い一方、2. Business & innovation environment、4. Affordability、5. Skillsの分野のランクは低くレーダーチャートに歪みが見られる。因みに日本が米国より優れている分野(順位が上位)は1. Political & regulatory environment, 5. Skills, 6. Individual usage, 7. Business usageの4分野である。


(続く)


本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp




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2015年05月26日

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(MENAなんでもランキング・シリーズ その17)
 
3. 分野別に見る各国の状況(続き)
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/17-T02.pdf参照)

(一人当たりGDPの高い国は個人のIT利用状況も高い!)
(6) Individual usage (個人の利用状況)
 個人の利用状況についてMENAのトップはバハレーンであり、同国の世界順位は14位である。この順位は日本(世界順位13位)に次いで高く米国(同18位)を上回っている。バハレーンに続くのはカタール(同19位)、UAE(同20位)である。MENA4位以下はイスラエル(同28位)、サウジアラビア(同36位)、クウェイト(同38位)、オマーン(同41位)で以上が世界50位以内である。MENA上位はイスラエルとGCC6か国であり一人当たりのGDPの高さと個人の利用度の高さが相関していることがわかる。MENA17カ国の世界平均順位は59位であり、10項目の中では世界順位が最も高い。
(参考:日本13位、米国18位、中国80位)


(MENAでダントツのイスラエル!)
(7) Business usage (ビジネス部門の利用状況)
 MENA17カ国の中でビジネスにおける利用状況が最も高いのはイスラエルであり、同国は世界順位も第9位のトップクラスである。MENA2位はカタールであるが世界順位は25位でイスラエルとかなり隔たりがある。カタールとわずかな差でUAE(世界27位)が続き、少し差が開いてサウジアラビア(同42位)、バハレーン(同49位)、ヨルダン(同50位)、トルコ(同53位)の順である。MENA17カ国の世界平均順位は81位。
(参考:日本2位、米国7位、中国46位)


(UAE、カタール、バハレーン、サウジアラビアの湾岸4カ国が世界のトップ・テンに!)
(8) Government usage (政府部門の利用状況)
 政府部門のIT利用がMENAで最も進んでいる国はUAEで、同国は世界2位である(因みに1位はシンガポール)。UAEに続くバハレーン、カタール、サウジアラビアの各国も世界ランクが4位、5位及び8位である。この分野ではMENA、特に湾岸産油国は世界のトップレベルであり、米国(世界14位)を上回っている。
 しかし世界順位100位以下の国もエジプト、イランなど6カ国がありMENA17カ国の中では上下の格差が大きい。MENA17カ国の世界平均順位は65位。
(参考:日本7位、米国14位、中国39位)


(ここでもイスラエルがダントツ!)
(9) Economic impact (経済的インパクト)
 経済的インパクトがMENAで最も強いと判定されたのはイスラエルで世界順位は6位である。これに続くのはUAEであるが、同国の世界順位は27位でイスラエルと大きな差がある。UAEに次いでカタールが世界32位であり、以下サウジアラビア(世界41位)、ヨルダン(同42位)、バハレーン(同48位)までの6カ国が世界50位以内である。MENA17カ国の世界平均順位は77位。
(参考:日本12位、米国7位、中国71位)


(UAEとカタールは世界のベスト・テン!)
(10) Social impact (社会的インパクト)
 社会的インパクトの指標ではUAE(世界2位)及びカタール(同10位)が世界のベストテンに入っている。そのほかの国ではバハレーン(同17位)、イスラエル(同19位)が米国(同11位)、日本(13位)とともに20位以内に入っている。30~40位台にはオマーン(同35位)、サウジアラビア(同37位)、ヨルダン(同44位)があり、中国(40位)はこれら各国と同程度の水準にある。MENA17カ国の世界平均順位は70位。
(参考:日本13位、米国11位、中国40位)


(続く)


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2015年05月25日

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(MENAなんでもランキング・シリーズ その17)

3. 分野別に見る各国の状況
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/17-T02.pdf参照)
 ITネットワーク整備指数を構成する10のサブ指数(上記1参照)について、MENA諸国の概要を見ると以下の通りである。


(世界最下位グループにひしめくイエメン、レバノン、リビア!)
(1) Political and regulatory environment(政治・制度環境)
 政治・制度環境分野では総合MENA3位のカタールがトップで世界順位は17位である。これに続いてUAEが世界20位につけている。そしてイスラエル(同28位)、サウジアラビア(同32位)、オマーン(同36位)、ヨルダン(同39位)が20~30位台である。一方、レバノン(139位)、イエメン(140位)、リビア(142位)の3カ国は全世界143カ国の中で最下位グループにひしめいている。MENA17カ国の世界平均順位は74位。
(参考:日本8位、米国21位、中国52位)


(UAEは世界2位!)
(2) Business & innovation environment (ビジネス及びイノベーション環境)
 ビジネス及びイノベーション環境のMENAトップはUAEで、同国の世界順位は2位である。MENA諸国の中ではUAEが傑出しており、UAEに続くのはイスラエル(世界15位)、カタール(同16位)が世界20位以内である。このほかサウジアラビア(同26位)、バハレーン(同29位)などは日本(同35位)より高い。このほかヨルダン、トルコ、オマーン、レバノン、クウェイトの各国も世界143か国の上位グループに入っている。MENA17カ国の世界平均順位は63位である。
(参考:日本35位、米国5位、中国104位)


(見劣りするエジプト、イラン!)
(3) Infrastructure & digital content (ITインフラ及びデジタル・コンテンツ)
 この分野のMENA1位はUAEで世界順位27位。これに続いてカタール(世界29位)、イスラエル(同31位)、サウジアラビア(同32位)及びバハレーン(同35位)が僅差で並んでいる。地域の大国であるイランおよびエジプトの世界順位は97位と99位であり両国のITインフラとデジタル・コンテンツはかなり見劣りしている。MENA17カ国の世界平均順位は67位。
(参考:日本17位、米国4位、中国92位)

(世界順位が意外に高いトルコ、エジプト、低いカタール、サウジアラビア!)

(4) Affordability (IT機器・ソフト入手の難易度)
 IT機器・ソフト入手の難易度のランクは総合ランクと大きく異なっており、MENA1位はトルコ、2位エジプト、3位モロッコである。3カ国の世界順位はそれぞれ8位、17位、24位で世界のトップ水準である。この指標では日本は世界43位、米国53位であり、両国とも10項目中の世界順位が最も低い。IT機器・ソフトが高価であることがその国際順位を低めていると考えられる。総合順位ではMENA2位と3位であるUAE及びカタールもこの指標の世界順位はそれぞれ114位、126位であり日本と同様の傾向がみられる。MENA17カ国の世界平均順位は76位。
(参考:日本43位、米国53位、中国57位)


(ずば抜けて高いカタール!)
(5) Skills (IT技術の習熟度)
 IT技術の習熟度がMENAで最も高いのはカタールで、同国の世界順位は5位である。MENAで二番目に高いのはUAEであるが、その世界順位は21位であり、カタールとの格差が大きい。UAEに続くのバハレーン(世界41位)、ヨルダン(同44位)、サウジアラビア(同45位)、イスラエル(同48位)で、以上6カ国が世界順位50位以内に入っている。MENA17カ国の世界平均順位は70位。
(参考:日本15位、米国33位、中国59位)


(続く)


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2015年05月23日

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