2015年12月
(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0367MenaRank11.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その11)
(1980年から2010年までに大きく改善した人間開発指数!)
4.1980年~2014年のHDIの推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/11-G01.pdf 参照)
ここではMENA諸国の中からサウジアラビア、UAE、トルコ及びエジプトの4カ国を取り上げ、これに日本、全世界平均、アラブ諸国平均を加えて1980年から2014年までのHDIの推移を比較する。
1980年に既にHDI指数が高かった日本を除けば、いずれの国も1980年から2010年までの間にHDIは大幅に改善しており、世界及びアラブ諸国の平均値も大きくアップしている。とくにHDIの低かった国ほど改善の度合いが高い。2010年以降も各国とも毎年着実にHDIが上昇しているがその度合いが遅くなり全世界平均及びアラブ諸国の平均HDIの伸びは鈍化している。
個別の推移をみるとエジプトは、0.452(1980年)→0.546(1990年)→0.621(2000年)→0.645(2005年)→0.678(2010年)とアップし、2014年は0.690である。1980年と2014年を比較すると指数は50%以上大幅にアップしているが、2010年から2014年までの4年間では0.012ポイントのアップにとどまっている。同じようにトルコは1980年から2010年の30年間で50%近く改善しているが、過去4カ年では0.752から0.761への小幅なアップにとどまっている。MENAの中でも上位であるUAE及びサウジアラビアの場合、1980年から2014年までのHDI指数の推移はそれぞれUAEが0.640(1980年)→0.725(1990年)→0.797(2000年)→0.824(2010年)→0.835(2014年)であり、サウジアラビアが0.583(1980年)→0.662(1990年)→0.744(2000年)→0.815(2010年)→0.837(2014年)であり、2011年以降はサウジアラビアがUAEを上回っている。
アラブ諸国の平均で見ると1980年の0.492から2014年には0.686に39%アップしており、アラブ諸国のHDIは34年で大幅に改善していることが分かる。日本は1980年にすでにHDIはかなり高く(0.884)、2005年には0.890まで向上したがその後は停滞している。
(完)
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前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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2015年12月24日
(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
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(MENAなんでもランキング・シリーズ その11)
(世界平均を上回るアラブ諸国!)
5.2014年と2013年のGII比較
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/11-T02.pdf 参照)
2013年と2014年のGII(ジェンダー不平等指数)を比較するとアラブ諸国の平均GIIは2013年が0.546に対して2014年は0.537で0.009改善されている。全世界平均の2013年0.451と2014年0.449の差が0.002のわずかなアップにとどまっているのに比べ改善度が高い。HDI(人間開発指数)では世界平均がわずかながらアップしているのに対してアラブ諸国は前年と同水準にとどまっており、GIIとHDIは対照的である。
各国別に見ると世界順位がアップした国がリビア、オマーン、レバノン及びシリアの4カ国に対して、順位を落とした国はクウェイトなど13か国ある(順位が変わらないのはサウジアラビア、チュニジアの2か国)。特に順位が大幅にアップしたのはリビア(40位→27位)及びオマーン(64位→53位)であり、一方順位が大きく下がったのはクウェイト(50位→79位)、モロッコ(92位→117位)である。
ところが指数で見ると前年より悪化したのはバハレーン、クウェイト、イラン、モロッコ及びイエメンの5か国であり、その他の13カ国は指数が改善されており(カタールは現状維持)、指数が改善しても世界順位が上がらないと言う結果になっている。MENA各国の順位で比べると2013年の上位10か国は今回もそのまま上位に入っている。但しオマーンは前年のMENA8位から今回は6位に、一方クウェイトは前回6位から今回は10位にとどまっている。11位以下も殆どの国が2013年と2014年で順位に変化は見られない。
日本、米国及び中国を見ると、日本はGIIが0.138から0.133に改善しているが世界順位は前回25位、今回26位とほぼ横ばいである。米国はGII指数が0.262から0.280に悪化しており、世界順位も47位から55位に落ちている。今回の55位はMENAではサウジアラビア(世界56位)とほぼ同レベルである。中国はGIIポイントが0.011改善しているが、世界順位は37位から40位へわずかにダウンしている。
(続く)
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