2018年03月

2018年03月31日

drecom_ocin_japan at 12:47コメント(0)今日のニュース 

2018年03月29日

(注)本稿は「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0436MenaRank10.pdf

MENAなんでもランキング・シリーズ その10)

 

3.2013年~2017年の日本とMENA諸国の貿易(続き)

(http://menarank.maeda1.jp/10-T04.pdf 参照)

 

(2年間の急減後、再び上向くサウジ、UAE、カタールからの輸入!)

()主な国の輸入額の推移

(http://menarank.maeda1.jp/10-G05.pdf 参照)

 サウジアラビア、UAE、カタール、イランおよびイラクは石油・天然ガスの主要な輸入国であるが、これら5カ国の過去5年間の国別輸入額の推移を見ると、5年間を通じてサウジアラビアの輸入額が最も多く、その額は2013年、2014年に5兆円前後で推移した後、2015年は前年比4割減の3兆円に急減、2016年も前年比3割減の2.1兆円と2年連続して減少した。2017年は原油価格の上昇により輸入額は再び3兆円台に上昇している。

 

 UAEはサウジアラビアとほぼ同様の傾向を示し2014年には4.4兆円のピークに達した後、2015年、2016年は共に前年比で34%前後の大幅な落ち込みとなり、2016年にはピーク時の2014年の4割にとどまっている。但し2017年は2.3兆円にアップしている。天然ガスの主要な輸入国であるカタールの場合、ピークとなった2013年(3.6兆円)に比べ2015年、2016年は2年連続で40%強減少、2017年の輸入額は1.2兆円と前年と横ばいの状況ある。同国からの輸入減はLNG価格の下落に加え、同国以外の輸入ソースの多様化等の影響と言えよう。

 

 これら3カ国に対してイラクからの輸入額は3,000億円以下で低迷し、特に2014年以降は4年連続1千億円台にとどまっている。イランについては2013年、2014年の2年間は6,000億円台であったが、2015年以降は3,000億円前後に急減している。経済制裁による輸入抑制と原油価格下落の影響が大きく表れている。

 

(好調な輸出に陰りがみえるサウジアラビア、UAE、上向きに転じたイラン向け輸出!)

()主な国への輸出額の推移

(http://menarank.maeda1.jp/10-G06.pdf 参照)

 MENAの日本からの輸出額では過去5年間を通じてUAEがトップである。これはドバイを通じた第三国への再輸出が多いためである。UAE向けの2013年の輸出は8,300億円であったが、その後2年間は1兆ドルを突破、2015年のUAE向け輸出額は1兆500億円に達した。しかし2016年には8,700億円に急減、2017年も減少傾向が止まらず過去5年間で最低の8,100億円にとどまっている。

 

 オイルブームとその後の油価の下落は同じ湾岸産油国のサウジアラビアにも表れており、同国向け輸出は2013年の6,700億円から2015年には1.2倍の8,300億円に増加している。そして2016年は前年比で34%減少し、更に2017年の同国向け輸出額は4,200億円とピーク時の2015年の2分の1である。

 

同じ産油国であるがイラン向け輸出は対イラン経済制裁により2013年の輸出額は164億円にとどまった。その後は回復の兆しが見え、2017年には985億円とエジプトを追い抜き過去5年間で最も多くなっている。

 

 地域の経済大国であるトルコ向け輸出は2013年以降毎年増加しており、2017年は3,547億円と5年前の1.6倍に達している。またもう一つの地域大国エジプトは2013年から2016年までは1千億円を上回る水準であったが、2017年は940億円に減少している。

 

以上

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp



drecom_ocin_japan at 09:10コメント(0)MENA 

2018年03月28日

drecom_ocin_japan at 11:37コメント(0)今日のニュース 

(注)本稿は「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0436MenaRank10.pdf

MENAなんでもランキング・シリーズ その10)

 

3.2013年~2017年の日本とMENA諸国の貿易

(5年前の6割の水準にとどまっているMENAの貿易額!)

(1)日本とMENA諸国の貿易額及び対中国、対米貿易との比較

(http://menarank.maeda1.jp/10-T04.pdf 参照)

(http://menarank.maeda1.jp/10-G03.pdf 参照)

 2013年から2017年までの5年間の日本とMENA19カ国1機関(パレスチナ自治政府)との貿易総額(輸出と輸入の合計額)は2013年に19兆円、2014年は20兆円を記録したが、2015年には一転して13兆円に減少、さらに2016年には10兆円を割り9.7兆円と、わずか2年間で半減した。2017年は輸出は減少、輸入が増加して貿易額は11兆円になったが、それでも5年前の2013年の6割にとどまっている。日本の貿易総額に占める割合は2013年及び2014年は12%強であったが、2015年は8.8%、2016年7.2%、2017年7.3%と3年連続で一桁台に落ち込んでいる。米国及び中国と比較すると、MENAの貿易額は2014年まではほぼ米国に肩を並べていたが、2015年はMENAが減少した反面米国は伸び、中国も微増であった。その後も同じような傾向が続き、2017年の全世界との貿易に占めるMENAの割合は米国の2分の1、中国の3分の1にとどまっている。

 

(日本の対MENA貿易は5年連続で赤字!)

(2)日本/MENA間の輸出と輸入

(http://menarank.maeda1.jp/10-G04.pdf 参照)

 MENAの貿易額を輸入と輸出に分けて見ると、日本のMENAからの輸入額は2013年及び2014年は16兆円であったが、2015年には一転して9.8兆円、2016年6.7兆円そして2017年は8.4兆円と一桁台にとどまっている。一方日本からの輸出額は2.9兆円(2013年)→3.5兆円(2014年)→3.7兆円(2015年)と4年間を通じて増加した後、2016年、2017年は3兆円前後にとどまっている。

 

 2011年の福島原発事故以後LNGの輸入が急増し、油価の高騰と相まってサウジアラビア、カタールなどからの輸入額が急増した。しかし2014年年央以降は油価が急落、さらに円安の影響もあって2015年に円建て輸入額は急減した。これに対してMENA産油国では2015年まで石油・ガスブームが続き自動車・プラントなど日本からの輸出が増加した。しかしその後の油価の下落は産油国自身の経済も委縮させ、また円高の影響もあり、日本からの輸出は停滞気味である。

 

 これらの要因により日本のMENA諸国に対する貿易収支は2013年及び2014年の2年間は年間13兆円前後の赤字であったが、2015年は赤字幅が6兆円に縮小、更に2016年には貿易赤字は3.6兆円に減少した。2017年は再び赤字幅は5.6兆円に拡大しており、5年間を通じて日本の対MENA貿易が大幅な赤字であることに変わりはない。

 

(続く)

 

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drecom_ocin_japan at 08:57コメント(0)MENA 

2018年03月27日

(注)本稿は「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0436MenaRank10.pdf

MENAなんでもランキング・シリーズ その10)

 

2.MENAと日本の2017年の輸出入(続き)

(石油・LNGの輸入で日本の輸入超過6兆円!)

(3)輸出入バランス

(http://menarank.maeda1.jp/10-T01.pdf 参照)

(http://menarank.maeda1.jp/10-G02.pdf 参照)

 MENA全体の貿易バランスは5.6兆円の輸入超過である。これは言うまでもなく石油或いは天然ガスの輸入によるものであり、特にサウジアラビア(-2.7兆円)、UAE-1.5兆円)およびカタール(-1兆円)、クウェイト(-5千億円)並びにイラン(-3千億円)の産油(ガス)5カ国に対する輸入超過額が大きい。5カ国の輸入超過合計額(6.1兆円)だけでMENA全体の輸入超過額を超えている。昨年のMENAからの輸入超過額3.6兆円から大幅に増えているが、これは原油・天然ガスの価格が上がったためである。

 

一方日本の輸出超過となっている国はトルコ、エジプトなど9カ国1機関である。いずれも超過額は輸入に比べて少ないが、比較的金額が大きいのはトルコ(2,800億円)、イスラエル(900億円)、エジプト(790億円)である。

 

因みに中国は3.6兆円の輸入超過でMENAの約3分の2であるが、米国は逆に7兆円の大幅な輸出超過となっている。

 

 輸出入バランスを2016年と比較すると、日本全体では2016年の4兆円の輸入超過から2017年には3兆円に減少している。一方、日本とMENA諸国の貿易バランスは2016年の-3.6兆円が2017年には-5.6兆円と大幅に増加している。

 

(続く)

 

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