2005年04月17日

カタールとインドが「戦略的パートナーシップ協定」締結

4/17 Gulf Times (Qatar)
 カタールのハマド首長は4日間にわたりインドを公式訪問、インドとの間で天然ガス供給及び相互投資に関する「戦略的パートナーシップ協定」を調印した。5月には実務者協議が行われる。
 インドとは1999年に年間750万トン、25年間にわたるLNG供給契約が締結されており、2004年に出荷が始まっている。インド側はカタールRasGas社に対してケララ州にあるPetronet社の株式10%売却を持ちかけている。インドでは天然ガスが全エネルギーに占める割合は8%であるが、2025年までにはこれを20%に高める計画である。
 なお首長に同行したハマド第一副首相兼外相は、カタールが所有する仏製中古ミラージュ戦闘機12機をインドに売却することを明らかにした。
 ハマド首長は歓迎晩餐会で、今回の訪問がビジネス・パートナーシップとしてwin-winの関係を強化したと述べた。

コメント:
 インドは先月サウジアラムコとMoUを締結した(3/30付Arab News参照)とのニュースが示すように最近積極的な資源外交を展開している。カタールには数多くのインド人出稼ぎ者がおり、これまでも民間経済では強い関係がある。一方、カタールのハマド首長は巨大な埋蔵量を誇る天然ガスをてこに同国の国際的な地位の向上に熱意を注いでいる。エネルギーを必要とするインドと天然ガスの供給余力を持つカタールの両国はまさにwin-winの関係にあると言えよう。
 なお今回の訪問で仏製戦闘機の売却が合意されたことは注目に値する。このようなハイテク兵器の商談では兵器生産国の事前の同意があるのが普通であり、本件も当然仏側が承知の上で行われたことは間違いない。仏は米国のイラク戦争に加担しなかったためイラクでの石油利権を始め中東地域でのビジネスが停滞している。仏の中東ビジネスは石油開発と武器商談が主力である。ミッテラン大統領は失地回復の機をうかがっており、今回の件ではインドに中古戦闘機を売却したカタールに対し新型戦闘機購入を働きかける(或いはすでに新規購入の密約がある?)のかもしれない。


at 16:32Qatar  
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