2011年01月28日
MENA(中東・北アフリカ)22カ国のITネットワーク整備指数(2009-10年版)(中)
(注)本レポートは「マイ・ライブラリ」に一括掲載されています。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0168MenaRank17.pdf
3. 分野別に見る各国の状況
NRIを構成する9つのサブ指数(上記1参照)について、MENA諸国の概要を見ると以下の通りである(詳細は「ITネットワーク整備サブ指数世界ランク,2009-2010 (http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/5-17bNriSubIndex(table).pdf )」参照)。
(1) Market environment(市場環境)
この分野ではUAEがトップであり世界ランクも12位の高い位置につけている。第2位はバハレーン(世界ランク15位)、以下カタール(同19位)であり、GCCの3カ国が世界20位以内に入っている。これに次ぐのがイスラエル(同23位)、サウジアラビア(同33位)、オマーン(同34位)である。16カ国の世界平均順位は58位。
(2) Political and regulatory environment(政治・制度環境)
政治・制度環境分野では総合MENA4位のカタールがトップで世界順位は27位である。これに続くのがUAE(世界29位)、ヨルダン(同33位)、サウジアラビア(同35位)である。イスラエルは総合順位ではMENA2位、世界28位であるが、この分野は43位で評価が低い。16カ国の世界平均順位は65位。
(3) Infrastructure environment(インフラ整備環境)
インフラ環境がMENA諸国で最も整っているのはイスラエルであり、同国は世界順位22位である。これに続くのがUAE(世界31位)、カタール(37位)、バハレーン(44位)であり、イスラエルとその他MENA諸国との格差は大きい。バハレーン以下は、サウジアラビア(世界48位)、チュニジア(同53位)クウェイト(同59位)、ヨルダン(同60位)である。財政が豊かなGCC産油国の多くは高度なITインフラが整備されていることを示している。16カ国の世界平均順位は66位。
(4) Individual readiness(個人の利便性の状況)
この分野ではUAEがトップで世界ランク5位と健闘している。これに続くのがチュニジア(世界12位)である。MENA総合2位のイスラエルはこの分野ではMENA14位、世界108位と極めて評価が低く、エジプト(世界71位)、トルコ(同94位)よりも低位である。16カ国の世界平均順位は63位。
(5) Business readiness(産業界の利便性の状況)
産業界のアクセス状況については、UAE及びイスラエルがそれぞれ世界18位、19位でありMENA諸国の中でも際立って高いランクである。MENA第3位はサウジアラビア(世界28位)で、以下カタール(同32位)、チュニジア(同37位)と続いている。バハレーン(世界72位)、エジプト(同95位)はそれぞれの総合世界ランクが29位、70位に比べこの分野が遅れているようである。因みに16カ国の世界平均順位は72位であり、MENA全体としては産業界の利便性が世界平均を下回っていると言える。
(6) Government readiness(政府の利便性の状況)
UAEはこのサブ指数で世界2位にランク付けされている。さらにカタールが世界3位、チュニジアは世界7位であり、MENAの3カ国が世界のベストテンに入っている。この分野では一般にMENA各国の世界順位は高く、バハレーン世界17位、オマーン同19位、サウジアラビア同25位、ヨルダン同26位などが世界的に高い評価を受けており、16カ国の世界平均順位も54位の水準である。
利便性について上記(4)個人、(5)産業界と本項(6)政府を比較すると、MENAの多くの国は政府の利便性の順位が高く、個人がこれに次ぎ、産業界が最も低い。例えばUAEの場合個人、産業界、政府それぞれの世界順位は5位、18位、2位であり、カタールは27位、32位、3位、バハレーンは21位、72位及び17位である。但し16カ国の中にはクウェイト(個人:48位、産業界:107位、政府:115位)のように政府の利便性が最も低いケースもある。
(7) Individual usage(個人の利用状況)
個人の利用状況のMENAランク1位はバハレーンで、同国の世界ランクは21位である。2位以下はイスラエル(世界25位)、UAE(同29位)、サウジアラビア(同42位)、カタール(同43位)となっている。上位5カ国のうち4カ国はGCC加盟国である。因みに16カ国の世界平均順位は66位でほぼ世界の中位クラスである。
(8) Business usage(産業界の利用状況)
この分野ではイスラエル(世界ランク15位)がトップである。2位はUAEであるが、同国の世界ランクは32位であり、1位のイスラエルとはかなりの開きがある。3位以下はサウジアラビア(世界49位)、エジプト(同52位)、トルコ(同54位)、チュニジア(同55位)、カタール(同56位)、ヨルダン(57位)、リビア(同59位)、バハレーン(同60位)がきびすを接して並んでいる。エジプト及びトルコは総合順位を含めその他の分野が低いが、産業界の利用状況に関しては順位が高い。因みに16カ国の世界平均順位は64位。
(9) Government usage(政府の利用状況)
MENA各国政府の利用状況のトップはバハレーン(世界ランク10位)であり、2位のチュニジア(同28位)、3位UAE(同29位)を大幅に上回っている。これらについで、カタール(33位)、イスラエル(36位)、ヨルダン(38位)が世界ランク30位台に入っている。16カ国の世界平均順位は61位であり、利用状況から見ると個人の66位或いは産業界の64位よりも少し順位が高い。このことからMENAのITネットワーク利用状況は政府が個人や産業界をリードしていると言える。
(続く)
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