2013年04月29日
MENA(中東北アフリカ)のITネットワーク整備指数(2013年版)(2)
(注)本レポートは「マイ・ライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0262MenaRank17.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その17)
(MENAトップのイスラエルに続くGCC諸国!)
2. 2013年の順位
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/17-T02.pdf参照)
今年度のレポートでランク付けの対象となった国の数は144カ国であるが、そのうちMENAは16カ国である。昨年は17カ国であったがチュニジアとシリアが抜け、リビアが2年ぶりでランクに復帰した。これら3カ国はいずれも2011年にMENAに吹き荒れた「アラブの春」で大きな影響を受けた国であるが、リビアが一応平穏を取り戻したことで再びランク付けされているのに対し、チュニジアとシリアはランク対象外とされている。前者は政治情勢が不安定であり、後者は内戦状態にある。NRIの調査主体が民間団体のWEFであると共に、ITネットワークの主たる利用者が民間ビジネスであるため評価不能とみなされたようである。
MENA19カ国のうちランク付けされた国とされていない国は下記の通りである。
ランク付けされた国(16カ国):
イスラエル、UAE、カタール、バハレーン、サウジアラビア、ヨルダン、オマーン、クウェイト、トルコ、エジプト、モロッコ、リビア、アルジェリア、イラン、レバノン、リビア
ランク付けされていない国(3カ国):
チュニジア、シリア、イラク、
MENA諸国の中でNRIが最も高いのはイスラエルである。同国は世界ランク15位である。これに続くMENA第2位はカタール(世界23位)、第3位UAE(同25位)であり、これら3カ国は世界のトップレベルである。
第4位から8位までにはバハレーン(世界29位)、サウジアラビア(同31位)、オマーン(同40位)トルコ(45位)及びヨルダン(同47位)が並んでおり、これらMENA上位8カ国が世界の上位50位以内である。
MENA9位以下はクウェイト(世界62位)、エジプト(同80位)、モロッコ(同89位)、レバノン(同94位)までが世界100位以内である。世界100位以下はイラン(101位)、アルジェリア(131位)、リビア(132位)、イエメン(13 9位)と続いており、アルジェリア、リビア及びイエメンは世界144カ国の最下位グループである。
MENA上位5カ国のうちイスラエルを除く4カ国(カタール、UAE、バハレーン及びサウジアラビアはいずれもGCC諸国である。GCCにはこのほかオマーン及びクウェイトがあるが、このうちオマーンは世界40位で上位グループに入っているが、クウェイトは世界62位であり、GCCの中では評価が低い。クウェイトは国土も人口もさほど大きくなく、それでいて産油国として財政が豊かであるにも関わらず同じようなUAEやカタールに比べてITネットワークの整備が遅れていると判定されたのは大きな問題をはらんでいると言えそうである。
なおMENA16カ国の世界平均順位は68位であり全体としては世界平均よりやや上位にある。因みに日本は世界21位でありイスラエルより低く、カタールより高い。また米国は世界9位、中国は世界58位である。中国の順位はMENA諸国の中ではヨルダン(世界47位)、クウェイト(世界62位)と同等程度である。
(続く)
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