2013年10月20日
世界のムスリム(イスラム信者)人口は? (3)
(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0282WorldMuslimPopulation.pdf
4.ムスリム人口の推移(1990年、2010年、2030年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-I-2-G04.pdf 参照)
世界の総人口及びムスリム人口について1990年と2010年の実績並びに2030年の予測値を比較すると、1990年は世界の総人口53億人に対してムスリムは11億人であり、ムスリムの比率は21%であった。20年後の2010年には総人口69億人、ムスリム人口16億人であり、ムスリムの比率は23%に上がっている。さらに20年後の2030年の予測値では、世界人口83億人に対してムスリムは22億人と予測され、ムスリムの比率は27%にアップすると見られる。1990年に比べると世界人口は1.6倍であるが、ムスリムは2.0倍の増加である。
ムスリムの多くは発展途上国に住んでいるのに対して、非ムスリムは中核を成すキリスト教徒を始めその多くが先進国に住んでいる。一般に発展途上国は出生率が高く、また医療の普及余地が先進国より高いことから乳幼児死亡率が改善傾向にある。この結果ムスリムの人口増加率が世界平均を上回るのである。例えばムスリムが96%を占めるパキスタンの場合、1990年から2010年の間にムスリムが1.6倍に増加しており、今後2030年までにさらに1.4倍に増えると見込まれている。
先進国の場合ムスリムの比率は小さいが、イスラム諸国からの移民の増加等によりムスリムは急増している。例えば英国の場合、1990年のムスリム人口は117万人であったが、2010年には2倍以上に増加しており、2030年には560万人程度に達すると予測される。
5.イスラム・シーア派の分布
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-I-2-T05ShiaMuslimRatio.pdf 参照)
イスラムにはスンニ派とシーア派の二大宗派がある。シーア派ムスリムは全世界に1.5~2億人程度と推定され、全ムスリムに占める割合は10~13%である。国別でみるとイランではムスリムの殆ど(90~95%)がシーア派でシーア派ムスリム人口は世界で最も多い。イランに次いでシーア派が多いのはパキスタン及びインドでありいずれも2千万人前後であるが、ムスリム全体に占める割合は10~15%であり、世界全体の比率(上記)とほぼ同じである。
イラクのシーア派人口は2千万人前後であり同国の全ムスリムの70%前後を占めスンニ派を上回っている。このようにシーア派がスンニ派を上回っていると見られる国にはアゼルバイジャン、バハレーンなどがある。バハレーンの場合は統治王家(ハリーファ家)が同国では少数派のスンニ派であるため、シーア派住民による反政府活動が活発で治安悪化の要因となっている。この他シーア派の比率が高い国にはイエメン(35~40%)、レバノン(45~55%)があり、またシリア(15~20%)、クウェイト(20~25%)なども比較的シーア派住民が多く、内政上の問題点となっている。
(完)
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