2014年11月24日
日本を上回るUAE-MENA(中東・北アフリカ)の「ビジネス環境」(2015年版)(2)
(注)本レポートはブログ「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してお読みいただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0331MenaRank13.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その13)
2. 昨年より大幅にダウンしたサウジアラビア
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/13-T01.pdf 参照)
MENA諸国の中でビジネス環境が最も良いのはUAEで世界順位は22位であり昨年(23位)よりもワンランクを上げている。同国の順位は日本(29位)よりも高い。UAEはMENAの中でも特に順位が高く、これに続くのはイスラエルの40位、そしてサウジアラビアの49位である。両国は共に昨年より順位を下げているが、特にサウジアラビアは昨年の26位から大幅に下がっている。
3位以下はカタール(世界50位)、バハレーン(同53位)、トルコ(同55位)、チュニジア(同60位)、オマーン(同66位)が50位から60位台に名を連ねている。このうちトルコは昨年より14ランクアップしているが、その他の4カ国はいずれも順位を落としており、特にオマーンは19ランク下落しており、下落幅はサウジアラビアに次いでMENAで二番目に大きい。これらの国以外ではモロッコ(同71位)及びクウェイト(同86位)が100位以内で世界189カ国の上位グループに入っている。
上記以外のMENA9カ国、1組織(パレスチナ自治政府)はビジネス環境としては世界の100位以下にとどまっている。それらを順に列挙すればレバノン(世界104位)、エジプト(同112位)、ヨルダン(同117位)、イラン(同130位)、イエメン(同137位)、パレスチナ自治政府(同143位)、アルジェリア(同154位)、イラク(同156位)、シリア(同175位)でありリビアは世界最下位のエリトリアをわずかに上回る188位にとどまっている。ちなみにMENAの世界平均順位は98位であり昨年の99位と殆ど変化していない。UAE、サウジアラビアなどGCCを中心とする上位グループとアルジェリア、イラク、シリア、リビアなど下位グループとの格差が大きい。アルジェリア、イラク、リビアはUAE、サウジアラビアと同様産油国であるが内戦状態のシリア或いは治安が不安定なアルジェリア、イラク、リビアのビジネス環境評価は極めて厳しい。
本調査では世界1位は昨年に引き続きシンガポールとされ、韓国が5位、そして米国は7位に入っている。日本は世界29位でありMENA各国と比較するとUAEより低く、韓国との格差は大きい。因みに中国は世界90位で調査対象189カ国中ではほぼ中間に位置し、MENA諸国と比べるとクウェイト(86位)より低くレバノン(104位)より高い。
(続く)
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