2014年11月30日

トップでも世界113位のアラブ諸国(日本だって104位!):2014年版世界男女格差報告(6)

(注)本レポートはブログ「マイライブラリー(前田高行論稿集)で一括してお読みいただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0330MenaRank8.pdf

(MENAなんでもランキング・シリーズ その8)
 
5.中東5カ国と日米中の要素別比較(レーダーチャート)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/8-G02.pdf 参照)
 MENAの三大国(トルコ、エジプト、イラン)、GCC2カ国(サウジアラビア、UAE)及びMENA平均並びに日本、米国、中国3カ国を取り上げ、総合順位と4つの分野別順位(経済、教育、健康及び政治)をレーダーチャートで表してみる。レーダーチャートは最も外側が世界1位(つまり男女格差が世界で最も小さい)であり、以下中心に向かうほど順位が低くなる(即ち男女格差が大きい)。グラフの実線が外側に広がるほど男女格差が少ないことを示し、また真円に近いほど男女格差のバランスが取れていることを示している。


(1) チャート1(トルコ、エジプト、イラン)
 トルコ、エジプト、イランは総合順位が世界125位、129位、137位といずれも低ランクにとどまっている。4つの分野の中では3カ国とも経済分野の男女格差が130位台で最も悪く、また政治ランクもエジプト、イランが悪い(トルコは113位)。教育分野は3カ国ともほぼ同じ順位であり、イラン104位、トルコは105位、エジプト109位である。健康は男女格差が比較的少ない分野であり、トルコは世界1位である(但し上記3に述べたとおりトルコのほかに20カ国が同一指数の世界1位である)。エジプトは57位、イランは89位。


(2) チャート2(サウジアラビア、UAE及びMENA平均)
 総合順位はUAE115位、MENA平均124位、サウジアラビア130位である。経済分野の男女格差はUAEとMENA平均はほぼ同じで120位台であるがサウジアラビアは世界142カ国中では最低レベルの137位にとどまっている。政治分野もUAEの世界96位に対しサウジアラビアは117位である。この分野のMENA平均は世界114位である。教育分野はいずれも総合順位よりも高く、UAEは83位、サウジアラビア86位でありいずれも世界100位以内に入っている。健康分野ではサウジアラビアが世界90位、MENA平均も99位であるが、UAEは132位とランクが低く、男女間の格差が大きいことを示している。


(3) チャート3(日本、米国、中国)
 総合順位では米国が20位であるのに対して、中国及び日本はそれぞれ87位、104位にとどまっており特に日本のランクの低さが目立つ。米国は経済の男女格差は世界4位であり、その他の分野は教育格差が世界39位、政治格差は世界54位、健康格差は世界62位である。中国は経済、教育、政治のいずれの分野でも日本を上回っているが、健康分野だけは男女格差が世界最低レベルの140位である。総合順位104位の日本は健康分野が世界37位で米国及び中国を上回っているが、その他の3分野(経済、教育及び政治)の男女格差は米国及び中国よりも遅れており、特に政治分野の男女格差が大きい。


(完)


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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp



drecom_ocin_japan at 10:34コメント(0)トラックバック(0) 

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