2014年12月29日
広がる上下の格差:MENA貿易円滑指数(2014年版)(4)
(注)本レポート(1)~(5)は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0334MenaRank9.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その19)
4. 過去5回(2008~2014年)の世界順位の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/9-T02.pdf 参照)
2008年、2009年、2010年、2012年及び2014年の過去5回すべてにランク付けされたMENAの国はGCC6か国のほかトルコ、エジプト、イスラエル、アルジェリア、ヨルダン、モロッコ及びチュニジアの13か国である。
全世界の評価対象国の数は2008年が118カ国でありその後毎回増加し2014年には138カ国に達している。このため各国の世界順位の推移を単純比較することは若干問題があるが、ここではその点を無視して各国の世界ランクとMENAにおける順位の推移を見てみよう。
UAEは過去5回を通じてMENAのトップである。同国の国際順位は23位(08年)→18位(09年)→16位(10年)→19位(12年)→14位(14年)であり、2009年以降は4年連続して世界の上位20か国に名を連ねている。これを日本及び米国と比較すると、日本は13位(08年)→23位(09年)→25位(10年)→16位(12年)→8位(14年)であり、また米国は14位(08年)→16位(09年)→19位(10年)→23位(12年)→14位(14年)である。これら3カ国の順位争いはシーソーゲームの感がある。
MENAの2位は2008年がイスラエル、2009,2010年はバハレーン、2012年はオマーン、2014年にはカタールとほぼ毎年顔ぶれが異なっている。このうちカタールの世界順位は41位(08年)→35位(09年)→34位(10年)→32位(12年)→19位(14年)と毎年着実に順位を上げており、特に前回から今回にかけて順位を大きく伸ばしているのが特徴である。地域における技術先進国イスラエルの場合は、28位(08年)→29位(09年)→26位(10年)→28位(12年)→29位(14年)と順位にほとんど変化がなく貿易円滑度が安定していることをうかがわせる。
サウジアラビアは2008年の53位以降毎年順位を上げ2012年には世界27位まで躍進したが今回は45位に後退、5~6年前の水準に戻っている。エジプトは2009年の75位をピークにその後は毎年順位を下げ、今回は100位割れ寸前の96位である。またMENAの世界平均順位は57位(08年)→51位(09年)→53位(10年)→64位(12年)→64位(14年)でありエジプトと同じような傾向をたどっている。
因みに日本、米国、中国及びインドの過去6回の世界順位は以下のとおりである。
日本:13位(08年)→23位(09年)→25位(10年)→16位(12年)→8位(14年)
米国:14位(08年)→16位(09年)→19位(10年)→23位(12年)→14位(14年)
中国:48位(08年)→49位(09年)→48位(10年)→56位(12年)→45位(14年)
(続く)
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