2016年03月08日
自由度の高い湾岸諸国:MENA(中東・北アフリカ)諸国の経済自由度(2016年版)(5)
(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0371MenaRank7.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その7)
(日本に肉薄するUAE!)
4.主要国の世界順位の変遷(2012~2016年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/7-G02.pdf 参照)
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/7-T03.pdf 参照)
ここではUAE、サウジアラビア、トルコ、エジプト、イランの5カ国及び米国、日本、中国の過去5年間(2012年~2016年)の世界順位の推移を比較してみる。
これら8カ国は米国と日本およびUAEが世界の上位グループにあり、トルコとサウジアラビアが中位グループである。因みにMENAの平均順位もほぼ世界の中ほどに位置している。そしてエジプトと中国及びイランが下位グループである。
まず上位の3か国を見ると、2012年は日本が9位と3か国の中で最も高く、米国は20位、UAEは35位であった。米国は2013年には世界順位を10位に上げ、一方日本はベストテンから一気に24位に急落したため日本と米国の順位が逆転した。一方UAEは順位を20位台に上げ日本に肉薄している。3か国の序列はその後も続き2016年の世界順位は米国11位、日本22位、UAE25位である。
トルコとサウジアラビアの2012年の順位は73位と74位でほとんど同じであったが、その後トルコは60位台に上昇、一方サウジアラビアは70位台後半から80位台前半に低迷している。一方、トルコは2014年の64位をピークにランクの下落傾向が止まらず、今回は79位になりサウジアラビアの78位より低くなっている。
エジプトは2012年に100位であったがその後125位(2013年)、135位(2014年)と急激に順位を下げている。「アラブの春」後の政治・経済の混乱を反映したものと考えられる。2015年、16年には漸く落ち着きを取り戻し125位前後に回復している。中国は過去5年間を通じて大きな変化はないが、2014年(136位)以降は下降気味であり2016年には144位と過去5年間で最も低い順位にとどまっている。イランは5年間を通じて170位前後のまま推移しており世界最低のランクが続いている。最近経済制裁が解除され、また穏健派が政局をリードする兆しがあり、今後経済の自由度の改善が期待される。
(続く)
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