2016年09月06日
MENAの牽引役はイスラエルとGCC諸国:E-Government指数(2016年版)(3)
(MENAなんでもランキング・シリーズ その3)
4.要素別開発指数
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/3-T02.pdf 参照)
E-Government開発指数は(1)Online Service(オンライン・サービス), (2)Telecommunication Infrastructure(通信インフラ)及び(3)Human Capital(人材)の3つの分野で構成されており、それらを総合した世界193カ国あるいはMENA19か国の順位はすでに説明したとおりである。本項では各国の3分野の指数及びMENAの順位を概観する。
(1) Online Service(オンライン・サービス)
オンライン・サービスの開発指数がMENAで最も高いのはUAEの0.8913である。この分野では総合世界11位の日本(指数0.8440)、同12位の米国(同0.8420)を上回っている。オンライン・サービスでUAEに続いて高いのはイスラエル(指数0.8623)及びバハレーン(同0.8261)が0.800台であり、0.700台はモロッコ及びチュニジアの2カ国である。指数が0.600台の国はサウジアラビア、クウェイト、カタールのGCC3か国及びトルコである。MENAの平均は0.5267であり、イラン、エジプト、イラク等7カ国は指数が0.500未満で開発度が低く、特にアルジェリアの開発度は0.100未満となっている。
(2) Telecommunication Infrastructure(通信インフラ)
通信インフラの開発度が高い国はバハレーンとクウェイトが指数0.700台であり、UAE、イスラエル、カタールの3か国が0.6000台であるが、その他のMENA各国は0.500台以下であり上位2カ国との格差が大きい。因みに日本は0.8277であり、英国、米国よりも高く、バハレーンあるいはクウェイトをかなり上回っている。
UAEはドバイが先端インフラを備えた都市としての評価が高いが、通信インフラに関しては開発指数は0.6881であり必ずしも欧米先進国の水準には達していない。MENAの平均値は0.4325であるが、アルジェリア、イラク、イエメンはこの水準を大幅に下回る0.1000台である。因みに中国の指数は0.3673でMENAではトルコとエジプトの中間に位置している。
(3) Human Capital(人材)
人材面で高い評価を受けているのはイスラエル(指数:0.8619)であり日本より高く米国をやや下回る水準である。この分野で世界最高レベルにあるのは英国(指数:0.9402)である。イスラエル以外のMENA各国の指数は低く、同国に続くサウジアラビアの指数は0.7995である。ただしこの指数は他の二つの指数に比べ世界的な格差が比較的小さく、MENAの平均値は0.6624となっている。
(続く)
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