2018年05月24日
大きく順位を下げたサウジアラビア:MENA(中東・北アフリカ)諸国の経済自由度(2018年版)(5)
(注)本シリーズは下記URLで(1)から(6)まで一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/MenaRank7.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その7)
(100位すれすれまで急落したサウジアラビア!)
4.主要国の世界順位の変遷(2014~2018年)
(表http://menarank.maeda1.jp/7-T03.pdf 参照)
(図http://menarank.maeda1.jp/7-G02.pdf 参照)
ここではUAE、サウジアラビア、トルコ、エジプト、イランの5カ国及び米国、日本、中国の過去5年間(2014年~2018年)の世界順位の推移を比較してみる。
2014年には8カ国のうち米国、日本およびUAEが上位グループにあり、トルコとサウジアラビアが中位グループ、中国とエジプトが下位グループにあり、イランは世界最下位近くに位置していた。この傾向は2016年まで続いたが、2017年及び2018年に各国の順位が大きく変動した結果、上位3グループはそのままであるが、中位グループのうちサウジアラビアが大きく後退し、下位グループから抜け出した中国と同程度の順位となっている。一方順位を下げたエジプトに対して順位をアップさせたイランが下位グループを形成している。
まず米国、日本及びUAEの上位3か国を見ると、2014年は米国が10位と3か国の中で最も高く、日本は24位、UAEは28位であった。2014年から2016年までの3年間は各国とも世界順位に大きな変動はなかった。しかし2017年にはUAEが前年の25位から一挙にベストテンの8位に上昇、これに対して米国は11位から17位に後退、さらに日本は22位から40位に急落した。この結果UAEは米国、日本を抜き去り3か国のトップとなった。2018年はUAE及び米国がほぼ前年同様の順位を維持し、一方日本は30位にもどっている。
トルコは2014年の世界64位から2年連続して下落、2016年には79位まで後退したがその後2017年、18年と順位を上げ、2018年には過去5年間で最高の58位となった。サウジアラビアは2014年は世界77位でその後横滑り状態を続け2018年にはトルコと並び、さらに2017年は順位を60位台に上げてトルコと歩調を合わせた。しかし2018年には98位に急落トルコとの格差が大きくなった。そしてかつて2014年にはエジプトと同程度の136位であった中国が前回以降急激に順位を上げた結果、2018年には110位となりサウジアラビアとの差が縮まってきた。
エジプトは2014年に135位で中国(136位)と同じ水準であった。その後、124位(2015年)→125位(16年)と順位を上げたが2017年は中国に追い抜かれて144位に後退、2018年も139位にとどまっている。イランは2014年から16年まで世界最低レベルの170位台に低迷していたが、経済制裁が解除され穏健派が政局をリードすることにより経済の自由度が改善されたことが評価され155位(2017年)→156位(18年)と150位台に定着、この結果エジプトとの格差がかなり小さくなっている。
(続く)
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