2018年06月21日
米国と中国、UAEとカタールの順位が逆転:世界平和指数(2018年版)(4完)
(注)本シリーズは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0444MenaRank12.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その12)
2018.6.21
前田 高行
(米国を追い抜いた中国、カタールを追い抜いたUAE!)
(図http://menarank.maeda1.jp/12-G01.pdf 参照)
(表http://menarank.maeda1.jp/12-T03.pdf 参照)
ここではMENA6か国(サウジアラビア、UAE、カタール、イラン、エジプト、トルコ)と日本、米国及び中国について2013年から2018年までの順位の変動を見てみよう。
「アラブの春」の騒乱発生2年後の2013年の6カ国の世界順位はそれぞれ、カタール19位、UAE36位、サウジアラビア97位、エジプト113位、トルコ134位、イラン137位であり、カタールが飛び抜けて高く、イランが6カ国の中では最もランクが低かった。カタールはその後5年間MENAのトップを続けたが、世界順位は22位(‘14年)→30位(‘15年)→34位(‘16年)→30位(‘17年)とほぼ毎年を落ち続け、2018年には大きく下がって56位であった。この結果、同国はUAE(世界45位)に追い抜かれた。
サウジアラビアは2013年の97位から翌2014年には80位に上昇したがその後2015年、16年と続けて急落し、現在は130位前後にとどまっている。この結果130位台を上下してきたイランと同じレベルになり、過去3年間は毎年130位前後で両国の順位が交互に入れ替わる状態である。トルコは2013年から15年まではイランと肩を並べていたが2014年から低落傾向が止まらず、2016年以降は140位台後半である。エジプトは最近140位台前半を維持しており、イラン、エジプト、トルコ3か国の序列が固定化しつつあるように見受けられる。
日本の順位の変遷は5位(2013年)→6位(2014年)→8位(2015年)→9位(2016年)→10位(2017年)→9位(2018年)と6年連続で安定的にベストテンに入っている。米国と中国は共に2013年は90位台後半、2014年は100位前後と同じような足取りであったが、2016年には米国94位に対し、中国は124位と格差が開いた。しかし両国は2017年に肩を並べた後、2018年は中国が2年連続して順位を上げた一方、米国は逆に連続して順位を下げた結果、2018年には中国が112位、米国は121位と逆転した。中国の平和度が米国を上回っている状態である。本稿冒頭に説明した通り平和指数は小銃など小型兵器の入手の容易さ、人権に対する尊重の度合いなど24項目をベースに作成されているが、銃砲の入手が容易な米国で銃撃事件が多発していることが平和指数ランクの低下につながっているようである。
以上
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