2018年08月17日
イスラエルを上回るUAE:E-Government指数(2018年版)(4)
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http://mylibrary.maeda1.jp/0449MenaRank3.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その3)
5.主な国の要素別開発指数の比較(レーダーチャート)
(表http://menarank.maeda1.jp/3-G01.pdf参照)
ここでは総合指数及びそれを構成する三つのサブ指数(オンライン・サービス、通信インフラ、人材)についてイスラエル、GCC6カ国及びトルコ、エジプト、イランのMENA10カ国、並びに日本、米国及び中国を加えてレーダーチャートで比較する。
これら13カ国をその便宜的にAグループ(イスラエル、日本及び米国)、Bグループ(GCC6カ国)及びCグループ(トルコ、エジプト、イラン及び中国)の3グループに分けレーダーチャートで表示した。
レーダーチャートは例えばAグループの場合は最も外側が1.0000、中心は0.6000であり、各国の評価は総合指数と3つのサブ指数を結ぶ四角形で表される。四角形の各点が外側にあるほどその国の開発度が高いことを示しており、また4点を結ぶ形状が正方形に近いほど開発の均整が取れていることを示している。なお指数の表示範囲はAグループが最外周1.0000、中心部0.6000であり、Bグループは1.000~0.5000、Cグループは0.9000~0.2000である。
(1) Aグループ(高度開発国:日本、米国及びイスラエル)
日本は総合指数(0.8783)が米国(0.8769)とほぼ同じであるが、通信インフラ指数は0.8406で米国の0.7564、イスラエルの0.7095を大きく引き離している。その一方、人材指数は0.8428にとどまり米国(0.8883)及びイスラエル(0.8635)より低い。イスラエルは総合指数が0.7998で3カ国中最も低い。
(2) Bグループ(GCC6カ国:サウジアラビア、UAE、カタール、クウェイト、オマーン、バハレーン)
GCC6カ国はMENA19か国の中では上位8位以内に入っている(GCC以外はイスラエルとトルコの2カ国)。6カ国の順位はUAE、バハレーン、クウェイト、カタール、サウジアラビア、オマーンの順番であり総合指数はUAEが0.8295と最も高く、最も低いオマーンは0.6846である。
分野別でみるとオンライン・サービスはUAEが0.9444と飛び抜けて高くその他5か国は0.8000前後で殆ど差が無い。通信インフラに関してはUAE(0.8564)及びバハレーン(0.8466)の指数が高くこれに次ぐのがクウェイト(0.7394)及びカタール(0.6797)である。これら4カ国に比べてオマーンとサウジアラビアの指数は極めて低くそれぞれ0.5399及び0.5339にとどまっている。
(3) Cグループ(低度開発国:トルコ、エジプト、イラン及び中国)
地域の大国であるトルコ、エジプト及びイランはE-Government開発指数に関しては中国とともに開発度の低い国といえる。4カ国の中ではトルコと中国の開発度が高く、イランがこれに次ぐ開発度を示しているが、エジプトは4つの指数のいずれもが他の3か国を一回り下回っており、低い開発度にとどまっている。
総合指数ではトルコが0.7112で、これに次いで中国は0.6811である。そしてイランは0.6083、エジプトは0.4880である。オンライン・サービス指数はトルコ(0.8889)と中国(0.8611)が高く、イラン(0.6319)或はエジプト(0.5347)と大きな格差がある。通信インフラ指数は中国、イラン、トルコの格差は小さく0.4000台に並んでおり、エジプト(0.3222)は世界水準からは大きく見劣りする。人材指数はトルコの0.8148が最も高く、イラン(0.7364)、中国(0.7088)と続きエジプト(0.6072)が最も低い。
(続く)
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