2018年11月05日
日本が5位に躍進:世界競争力ランキング(2018年版) (1)
(注)本シリーズは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0455MenaRank15.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その15)
中東北アフリカ諸国は英語のMiddle East & North Africaの頭文字をとってMENAと呼ばれています。MENA各国をいろいろなデータで比較しようと言うのがこの「MENAなんでもランキング・シリーズ」です。「MENA」は日頃なじみの薄い言葉ですが、国ごとの比較を通してその実態を理解していただければ幸いです。なおMENAの対象国は文献によって多少異なりますが、本シリーズでは下記の19の国と1機関(パレスチナ)を取り扱います。(アルファベット順)
アルジェリア、バハレーン、エジプト、イラン、イラク、イスラエル、ヨルダン、クウェイト、レバノン、リビア、モロッコ、オマーン、パレスチナ自治政府、カタール、サウジアラビア、シリア、チュニジア、 トルコ、UAE(アラブ首長国連邦)、イエメン、
これら19カ国・1機関をおおまかに分類すると、宗教的にはイスラエル(ユダヤ教)を除き、他は全てイスラム教国家でありOIC(イスラム協力機構)加盟国です。なおその中でイラン、イラクはシーア派が政権政党ですが、その他の多くはスンニ派の政権国家です。また民族的にはイスラエル(ユダヤ人)、イラン(ペルシャ人)、トルコ(トルコ人)以外の国々はアラブ人の国家であり、それらの国々はアラブ連盟(Arab League)に加盟しています。つまりMENAはイスラム教スンニ派でアラブ民族の国家が多数を占める国家群と言えます。
第15回のランキングは、「世界経済フォーラム」(World Economic Forum, 略称WEF)が発表した「Global Competitiveness Report 2018」(世界競争力レポート)についてMENA諸国をとりあげて比較しました。
* WEFホームページ:
* https://www.weforum.org/reports/the-global-competitiveness-report-2017-2018
1.「世界競争力レポート」について
「世界競争力レポート(Global Competitiveness Report)」は、毎冬スイスで開催される「ダボス会議」の主催者として世界に名を知られている「世界経済フォーラム」が2001年から毎年発表しているレポートであり今回で第18回目となる。第1回レポートの対象国は75カ国であったが、その後対象国は増え今回は140カ国となっている。MENAの対象国は16カ国であり、評価対象外となっている国はリビア、シリア、イラク及びパレスチナ自治政府である。
「世界競争力レポート」の総合的な競争力ランキングはコロンビア大学のザビエル・サラ=イ=マーティン教授が開発し2004年に導入された世界競争力指数(Global Competitiveness Index, GCI)が用いられている。GCIは競争力に関する12の分野をもとに設計されており、世界の国々のすべての発展段階における競争力の全体像を示している。
12分野とは、①制度機構(Institutions)、②インフラ(Infrastructure)、③情報通信技術(ICT adoption)、④マクロ経済安定性(Macroeconomic stability)、⑤健康(Health)、⑥技能(skills)、⑦製品市場(Product market)、⑧労働市場(Labour market)、⑨金融システム(Financial system)、⑩市場規模(Market size)、⑪ビジネス・ダイナミズム(Business dynamism)及び⑫イノベーション力(Innovation capability)である。なお今年は評価方法をこれまでと大きく変更しており、その結果、MENAは殆どの国が昨年より世界順位を下げている一方、米国、日本などは順位がアップしている。
(続く)
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