2018年11月19日
日本が5位に躍進:世界競争力ランキング(2018年版) (6)
(注)本シリーズは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0455MenaRank15.pdf
日本が5位に躍進:世界競争力ランキング(2018年版) (6)
(MENAなんでもランキング・シリーズ その15)
4.MENAの分野別競争力(続き)
(表http://menarank.maeda1.jp/15-T03.pdf 参照)
(7) 製品市場(Product market)
世界11位のUAEがMENAトップである。カタール(世界25位)、バハレーン(同28位)がこれに続いているが、UAEとはかなりの開きがある。MENA4位以下はサウジアラビア(同32位)、オマーン(同33位)、イスラエル(同41位)、クウェイト(同69位)であり、これら以外の国は世界ランクの下位グループとなる。主要な国とその世界順位はトルコ76位、エジプト121位、イラン134位などである。
(参考:米国3位、日本5位、中国55位)
(8)労働市場(Labor market)
この分野のMENA諸国の世界ランクは概して低く、平均は98位であり、12分野の中では最も低い。イスラエルは世界ランク15位で非常に良いがMENA2位のUAEの世界ランクは42位であり、バハレーン、カタールが50位前後で続いている。そしてMENA16か国中10カ国は世界ランクが100位以下である。例を挙げればサウジアラビアが102位、トルコ111位などであり、エジプト、アルジェリア、イランは世界130位台にとどまっており、イエメンは世界最低ランクの140位とされている。
(参考:米国1位、日本18位、中国69位)
(9)金融システム(Financial system)
この分野ではイスラエルが世界ランク22位でMENAのトップである。これに次いでUAE、ヨルダン、バハレーン及びカタールが世界30位台に並んでいる。その他のGCC各国はサウジアラビアが45位、クウェイト48位、オマーン56位である。またMENAの大国であるトルコは65位であるが、イランは98位、エジプト99位である。
(参考:米国1位、日本10位、中国30位)
(10)市場規模(Market size)
市場規模の競争力ランクは人口と購買力、特に人口の多さがランクに反映する。また産油・ガスの歳入が多い国は購買力も高い。このためこの分野ではMENAの一部の国が世界ランクの上位に顔を出している。例えば、トルコは世界13位であり、サウジアラビア17位、イラン19位の3か国が世界20位以内に入っている。また人口は少ないが豊かな産油国であるUAEは中継貿易基地として中東・中央アジアおよび東アフリカ地域を市場に取り込んでいることが世界28位の評価につながっている。これに対してクウェイト(54位)、カタール(51位)など人口が少なく、対外貿易規模の小さい産油国は市場規模での競争力は低い。
(参考:米国2位、中国1位、日本4位)
(11)ビジネス・ダイナミズム(Business dynamism)
ビジネス・ダイナミズムはイスラエルが世界5位である。これに続くのはUAEであるが世界ランクは33位であり大きな格差がある。さらにMENA3位以下はカタール(世界40位)、オマーン(同52位)、バハレーン(同54位)のGCC各国が続くが、同じGCCでもクウェイトとサウジアラビアはそれぞれ世界96位、同114位でありビジネスのダイナミズムがかなり低いと評価されている。なおトルコ、エジプト及びイラン各国の世界ランクはそれぞれ76位、97位、119位である。
(参考:日本14位、米国1位、中国43位)
(12)イノベーション力(Innovation capability)
イノベーション力の高さでMENAトップのイスラエルは世界16位である。同国に続くのはUAE及びカタールであり、それぞれの世界ランクは35位と37位、さらにサウジアラビア(41位)となっており、この順位は総合順位と同じである。世界140カ国の上位に入っているのはこれらの国々の他、トルコ、ヨルダン、レバノン、エジプト及びイランの合計9か国である。一方100位以下の国はクウェイト(103位)、アルジェリア(106位)、イエメン(133位)の3か国がある。
(参考:日本6位、米国2位、中国24位)
(続く)
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